ブナ科コナラ属コナラ,学名:Quercus serra,かのんの樹木図鑑
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 ブナ科 コナラ属】   Quercus serra
 コナラ  
 【 楢柏 】   別名/ カシワナラ(柏楢),ハハソ(柞),ホウソ
 ●落葉高木
 ●高さ:25m
 ●花期:4月  雌雄同株
 ●果期:その年の秋に熟す(1年で成熟)
 ●分布:本州(岩手,秋田県以南),四国,九州
 ●生育地:山地や丘陵地の日当たりの良い雑木林
参考文献
「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社) P229
H15.7.20 岡山県自然保護センター
葉は互生(ごせい)。基部はくさび形か円形で,先端は尖る。縁には大型の波打つような鋸歯(きょし)が並ぶ。表面は無毛で,裏面は白味を帯び,星状毛(せいじょうもう)と綿毛が密生している。
H15.7.28 岡山県吉備中央町 H16.6.27 岡山県吉備中央町
新葉には,はじめ絹毛があり,ふんわりとした印象があるが,後に表面は無毛になる。 自宅の庭にあるコナラ。モンシロドクガが食べたあとの葉の断面にアミメアリがたくさんやってきていた。樹液を吸っているのだろうか。
H15.11.22 岡山県吉備中央町
吉備高原の紅葉の最後を締めくくるのがコナラ。コナラの葉が茶色く色づくと山全体が秋の様相を呈する。どっしりと温かみのある葉をつけたコナラの大木は,古名の「ハハソ」がぴったりである。
2011.5.8 岡山県加賀郡吉備中央町
上:2007.5.5 岡山県吉備中央町
下:2005.4.27 岡山県「大平山」
上:2007.5.5 岡山県吉備中央町
下:2005.5.1 岡山県自然保護センター
コナラは雌雄同株。つまり,1つの株に雌花と雄花がつく。
雄花序(ゆうかじょ)は,新枝の基部付近から多数垂れ下がる。葉の展開と同時に咲く。綿毛のついた幼葉といっしょに見られるので,あまり目立たない。
雌花序(しかじょ)は,新枝の先端の葉腋(ようえき)につく。かなり小さいのでよく見ないと気付かない。花柱は3裂している。(上写真白い矢印)
まだこんなに小さいが,今年の秋にはここに立派なドングリが実る。

 ちなみに,ブナ科では,ナラガシワミズナラカシワアラカシシカラシイチイガシクリなどが,その年の秋に果実を実らせる仲間。
2011.8.1 岡山県高梁市 2008.10.19 岡山県吉備中央町
堅果は1年で成熟する。殻斗(かくと)は,鱗片(りんぺん)が鱗状に並んでいる。先端には柱頭(ちゅうとう)の痕跡が残る。
2011.11.21 岡山県加賀郡吉備中央町上野
コナラの堅果は乾燥に弱く,根を伸ばした状態で冬を越す。発根するのはドングリのとがった方から。
H14.8 岡山市「操山里山センター」 H16.1.1 岡山県吉備中央町
樹皮(じゅひ)には灰黒色で,縦にごつごつとした不規則な割れ目ができる。
若木では,灰白色で平坦。白い縞模様は,若木のころの樹皮のなごりである。
頂芽(ちょうが)のまわりに,頂生側芽(ちょうせいそくが)と呼ばれる側芽(そくが)がある。
H15.8.12 岡山県加茂川町 2006.5.6 岡山県吉備中央町
コナラの葉の表にできた虫えい(虫こぶ)
葉の裏にできるナラハウラマルタマフシというのはあるが,これは表にあった。ナラハマルタマフシとでもいうべきか?
くわしくは,虫こぶ特集へ
コナラの芽にできたナラメリンゴフシ(虫こぶ)
ナラメリンゴタマバチによって作られたもの。


くわしくは,虫こぶ特集へ
名の由来
大きなドングリをつけるミズナラ(Q. crispula)の別名がオオナラ(大楢)であり,それに対し,本種はドングリが小さいことから,コナラ(小楢)。
また,別名の「ハハソ(柞)」は,コナラの古名。
岡山県情報
吉備高原の里山では,アベマキ(Q. variabilis)とならんで最も利用価値が認められた樹木である。地域の高齢者が「マキノキ」とか「マキ」と呼んでいるのは,コナラの場合が多い。今でも田舎では,風呂の薪シイタケの「ほだ木」として利用している家庭がある。
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