ブナ科コナラ属シラカシ,学名:Quercus myrsinaefolia,かのんの樹木図鑑
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 ブナ科 コナラ属】  Quercus myrsinaefolia
 シラカシ  
【 白樫 】   別名 / クロカシ, ホソバガシ 
 ●常緑高木(じょうりょくこうぼく)
 ●高さ:20m
 ●花期:5月 雌雄同株
(しゆうどうしゅ)
 ●果期:その年の秋 (1年で成熟する)
 ●分布:本州(福島・新潟県以西),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑5〉,2001年,P260
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P370

(3) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木,1989年,P222
(4) おかやまの自然第2版,岡山県環境保健部自然保護課,1993年
2004.12.13 岡山県吉備中央町
2012.2.5 岡山県笠岡市大飛島
葉は互生(ごせい)。葉身は長さ7〜14pの狭長楕円形。先端はとがるが,ウラジロガシのように極端に尾状にはならない。
縁には先端から2/3に鋸歯
(きょし)がある。両面とも無毛で,上面には光沢があり,裏面は灰緑色。
葉の幅など変異が大きく,アラカシと見間違うような場合もあるが,アラカシは先端から1/2に鋸歯がある。
2009.5.6 岡山県吉備中央町 2009.5.6 岡山県吉備中央町
雄花序は,垂れ下がる。 雌花序は,新枝の上部の葉腋(ようえき)から立ち上がる。柱頭は3個ある。
H15.6.30 岡山県吉備中央町 H15.11.24 岡山県吉備中央町
ドングリには,1年で成熟するものと,2年で成熟するものがあるが,シラカシは前者。この小さな実が秋にはドングリに生長する。 成熟した堅果(けんか)。殻斗(かくと)の横縞は6〜8本あり,これは鱗片が合着(がっちゃく)したもの。
2011.12.30 岡山市御津虎倉 2011.12.31 岡山県加賀郡吉備中央町(植栽)
2011.12.31 岡山市御津宇甘九谷
樹皮は暗い灰褐色で平坦。成木では茶褐色の皮目(ひもく)が縦に並び,浅い割れ目になることもある。
H15.11.24 岡山県吉備中央町 2011.12.31 岡山県加賀郡吉備中央町(植栽)
冬芽。たくさんの芽鱗(がりん)に包まれ冬の寒さを防いでいる。芽鱗はほぼ無毛で,長い伏毛(ふくもう)をもつウラジロガシと区別できる。 はっきりとした主幹があり,樹形も整っており,公園樹や街路樹に利用される。
アラカシ(Quercus glaucaウラジロガシ(Q. salicinaなどとは,典型的な葉では分かりやすいが,特に徒長枝や幼木では迷うことも多い。

典型的な葉では,アラカシの方が幅が広いのだが,特にアラカシの葉の形や大きさは変異が大きい。私は鋸歯が葉の1/2まであるのがアラカシ,葉の2/3まであるのがシラカシというふうに区別している。

また,ウラジロガシについても,典型的な葉では葉裏の白さで区別できるが,これもけっこう変異がある。ウラジロガシの方が葉の縁がよれていて,先端が尾状に長くとがることや,冬芽で総合的に判断するようにしている。
材は淡い紅褐色で堅く,器具材(金槌の柄,カンナの台など),建築材,船舶材などに利用される(1)。かつては,槍の柄にも用いられたそうだ(2)
萌芽力が強く,生け垣や防風林,また,樹形が美しいことから街路樹や公園樹などにも利用される(1)(2)。
名の由来
材は淡い紅褐色だが,アカガシに比べて色が淡いのでシラカシと呼ばれる(1)。あるいは,葉の裏面が白っぽい(ウラジロガシほどではないが…)ことに由来するとする説もある(2)
別名のクロガシは,樹皮が黒っぽいことによるそうだが,アラカシもクロカシの別名をもつので混同されているのかも知れない。
いずれにしても,材としての利用価値が高いことをうかがわせる名前である。
岡山県情報
岡山県下全域に広く分布し,特に中北部に多い(3)。美咲町(旧旭町)八幡神社,勝山町城山,高梁市(旧川上町)穴門山では,シラカシが主な優占種である(4)。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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