ブナ科コナラ属アカガシ亜属アカガシ,学名:Quercus acuta,かのんの樹木図鑑
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 ブナ科 コナラ属 アカガシ亜属】  Quercus acuta
 アカガシ  
【 赤樫 】 別名 / オオガシ(大樫),オオバガシ(大葉樫) 
 ●常緑高木
 ●高さ:20m
 ●花期:5〜6月 (雌雄同株)
 ●果期:翌年の秋 (2年で熟す)
 ●分布:本州(宮城・新潟県以西),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P248
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年
(3) 狩山俊吾,岡山県のブナ科,倉敷市立自然史博物館研究報告,2007年
葉身13.5p,葉柄2.5p,幅4.5p (やや小振りな葉 大きいものでは葉身18pほど))(05/01/15)
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
ブナ科の常緑樹の中では,最も葉が大きく,葉身は7〜15pの長楕円形。また,葉柄も長い。基部は広いくさび形で,先端は長くとがる
縁は全縁
(ぜんえん)で大きな葉ほど波打つ。時に葉の先端部にゆるやかな鋸歯が見られることがある。
葉脈
(ようみゃく)は裏面に隆起する。 表裏両面ともはじめ褐色の軟毛(なんもう)が密生しているが,後に両面とも無毛になる。
2012.2.4 岡山県総社市「御前神社」
アカガシの果実は受粉した翌年の秋に熟す。写真の未熟な果実はこれから秋までかけて成熟する。
2011.11.23 岡山市「半田山植物園」 2012.2.4 岡山県総社市「御前神社」
殻斗(かくと)には横縞があり,ビロード状の毛で覆われいる。堅果の表面にもうっすらと毛がある。
2007.2.4 岡山県吉備中央町「大平山」 2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
冬芽は複数の芽鱗に覆われており,アラカシなどと比べるとひとまわり大きい。芽鱗の縁はやや赤味を帯びており,細かい絹毛がある。
“本年枝の枝には淡褐色の軟毛が密生するが,翌年には落ちる
(1)”そうだが,左の写真は軟毛がはっきりと確認できる。右の写真はほぼ無毛で,白い皮目(ひもく)が目立っている。
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
2007.2.4 岡山県吉備中央町「大平山」
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺 2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
普通は皮目は目立たないことが多い(1)ということだが,若木では白い皮目があり,やがてそれが連なり縦にすじが入るようだ。年数を経るにしたがい,不規則に剥がれ落ちる。アキニレやケヤキに似ているがやや赤味が強い場合が多いようだ。

※左上写真には,カミキリムシの産卵痕が3重についている。来年の夏にはクワガタムシやカブトムシが集まりそうだ。
2014.11.3 岡山県苫田郡鏡野町「奥津渓」
「大釣の赤樫」。「奥津町重要文化財」「(おそらく奥津町教育委員会が指定する「天然記念物」,「(岡山県津山地方振興局の)名木百選」,推定樹齢400年とのこと。
材は非常に堅く,緻密で粘りがあり,赤味を帯びた材が高級感を醸し出すことから評価が高い。木刀,ゲートボールのスティック,農具やカンナの台などの器具材,建築材,船の櫓や舵,荷車など様々な用途に用いられる。(1)
薪炭材としても利用される。
名の由来
材が赤いカシの仲間という意味。材の色が名前についているのは,その材が有用であった証拠である。
別名の「オオガシ」,「オオバガシ」は,葉が大きいという特徴による名だろう。
岡山県情報
岡山県内では,吉備高原以北の標高200〜600mの山地に分布するが稀。(3)
アカガシ群落は,減少が心配されるとして岡山県版RDB(岡山県編,2003年)で「要注意」にランク付けされている。
(3)
両山寺郷土自然保護地域(岡山県久米郡美咲町両山寺)
天福寺自然保護地域(岡山県加賀郡吉備中央町豊野)
郷土記念物 御前神社の樹林(岡山県総社市延原)
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