天福寺郷土自然保護地域(岡山県加賀郡吉備中央町豊野「大平山」),かのんの樹木図鑑
   ←検索サイトから来られた方は,ホームへおいで下さい!

天福寺 郷土自然保護地域
大平山山腹より見る雲海。(2006.11.21) 大平山山腹より「大山」を望む。空気の澄んだ日には,大山の雄姿がくっきりと見える。(2010.1.27)
▲「天福寺郷土自然保護地域」の案内板
  天福寺の門前にある
この地域は吉備高原の中央部にそびえる大平山(標高697m)の東側山腹に位置し,天台宗の古刹である天福寺を中心としたところです。
天福寺は奈良時代から修験道寺院として栄えましたが,現在では本堂,仁王堂,薬師如来座像などが往年の山上仏教の反映をしのばしています。天福寺周辺の樹林は,モミの巨木を主木として,アカガシアカシデコハウチワカエデなどを混じえる自然度の高い樹林が形成されています。また,中心部の一角には,温帯と暖帯の接点であることを示すブナが自生しており,さらに,オシダ科の植物で中国大陸と日本列島のつながりを示す,イヌイワデンダが日本で初めて発見されたところでもあります。
そのほとんどをヒノキの尾林におおわれた郡中一の大平山は,標高約700mで,西には有漢富士と言われる美しい姿の権現山がそびえ,麓を流れる有漢川の清流に沿って高梁市有漢町が開けています。大平山山頂には,情報網の拠点となっており,各種の無線中継等があります。ここからの展望は,実に雄大で,奈義連峰をはじめ中国山脈の山波がなだらかに展開し,晴天の日には遙か北西に大山の雄姿を眺めることができます。
大平山山頂部より,有漢町方面を望む。
山頂部は広範囲に伐採されており,パラグライダー飛行が楽しめるとか…しかし,わたしはパラグライダーが飛んでいるのを見たことはないが…。
山頂部にあるビオトープにはメダカが飼育されており,ヤマアカガエルや,ニホンヒキガエルの産卵場所にもなっている。近年は,あまり手入れもされておらずイノシシによる被害が激しい…。
また,ビオトープ周辺には,本来この地に自生しないトチノキやシラカバなどが植えられており,思わず首をかしげたくなる。
もともと,植生が豊かなところなのに…。せめて,天福寺の裏山にあるブナの実生でも育てればと思うが…。
▲ニホンイモリ ▲産卵にきたヤマアカガエル ▲産卵中のニホンヒキガエルと卵塊。
アカガシ(ブナ科)は,モミと並び大平山を代表する樹種。林内を歩くと様々な成長段階のものが見られることから,このまま遷移が進めばアカガシ林になるのではないかと思う。右の写真は天福寺の南側にある老大木。
ウラジロガシ(ブナ科)
天福寺の南側に見事な老大木がある。
ブナ(ブナ科)
大平山で最も注目すべき樹種と言えばブナだろう。大平山は岡山県のブナの分布の南限とされる。
ツルシキミ(ミカン科)
やや日当たりの良い林床にはツルシキミの群落が目立っていた。
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです。

 

inserted by FC2 system