両山寺郷土自然保護地域,岡山県久米郡美咲町両山寺,かのんの樹木図鑑
   ←検索サイトから来られた方は,ホームへおいで下さい!

両山寺 郷土自然保護地域

2012.1.29 土曜日の午前中のひととき両山寺に足を運んでみた。美咲町西川から向かったのだが,なかなか道がややこしく途中でかなり迷いながら,親切な地域の方に教えて頂きながらなんとか到着した。

▲両山寺郷土自然保護地域の案内板
両山寺の門前にある
この地域は,県中部の吉備高原の一角をなす二上山ふたかみさん標高689m)の山腹から山頂にかけての位置にあり,全般に急峻な地形を形成し,安山岩を母岩とする土壌です。
 特にこの地域内には「あまのじゃくのかさね岩」と称される特異な岩石群が分布しています。
 両山寺周辺はアカガシを優占種とする常緑広葉樹が分布し,両山寺から山頂付近にかけて自然度の高い樹林が形成されています。
 本堂の右側にそびえる二上杉は,推定樹齢約千年と言われています。
高木層の樹木
▲両山寺の境内にあるアカガシの大木。両山寺のアカガシと書かれていた。 ▲境内のいたるところで,アカガシの老大木を目にした。赤茶色の樹皮が不規則に剥がれる独特の樹皮が目を引く。
▲ブナ(ブナ科)
両山寺を特徴づける樹木のひとつは,なんと言ってもブナだろう。岡山県内のブナ自生地の南限は吉備中央町の天福寺自然保護地域のある大平山とされているが,ここはそれに次ぐブナの自生地である。
この日,天福寺の境内付近にも2本のブナを確認できた。
左上の写真は名木百選に選ばれている「二上杉」。推定樹齢 1000年,目通り周囲7.0m,樹高40mとされている。
 両山寺の境内から少し登ったところにある二上神社があり,「中央町指定天然記念物 二上神社の大杉」と銘打たれたスギの大木があった。
 本堂前の二上大杉は,伯耆大山に向かう天狗がまず加茂川町の本宮山に飛び,次いでこの杉に飛んで羽を休めたという伝説がある。
 ちなみに,高梁市巨瀬町にある祇園山郷土自然保護地域(祇園寺の樹林)にある祇園大杉も,伯耆大山に向かう天狗が羽を休めたとされる。
▲イヌシデの大木(カバノキ科)
落葉樹ではイヌシデの大木が目立っていた。白っぽい樹皮に縦に割れ目のできる独特の樹皮が目を引く。
亜高木層
▲シロダモ(クスノキ科)の大木
私の住む加賀郡吉備中央町ではこのような大木はまず見られない。ここではシロダモがよく育っている。目通り周囲が120pもあった。
その他の見所
塩場の池(しおばのいけ)
 うっそうとした立木に囲まれた7つの小さな窪地は,年中泉がわいており,古来から清浄の池とされ,修行者が水ごりをしたり,農民が雨ごいに訪れたという。潮の干満につれて池の水位が上下すると伝えられ,潮場とか塩場と呼ばれている。
 両山寺では,毎年8月14日深夜,鎌倉時代から始まったとされる奇祭「護法祭」(県指定重要無形民俗文化財)が開かれ,護法善神が乗り移ったとされる「護法実
(ごほうざね=ゴーサマ)」が,半紙で作った紙手(しで)をかぶって境内を縦横無尽に駆け回り,五穀豊穣と天下泰平,万民快楽を祈念する。
 祭りの中心となる護法実は,祭りの約1週間前から本坊書院内の護法殿にこもり,塩場の池の1つ「龍王池」で水ごりをして身を浄める。心身の清浄を念じつつ,21杯の水をかぶるのを1回とし,1日6回の水ごりを祭りの日まで続ける。
 祭りの当日は,最後の水ごりの後,本堂内で祈りつけが行われ,護法善神が乗り移ると,護法実は護法善伸の使いである鳥のように羽ばたく仕草をしながら走り飛び回る。(環境省・岡山県) *右の案内板より
▲両山寺に向かう途中で見える「大垪和(おおはが)の棚田」
美咲町大垪和,標高約400mの山間地に,すり鉢状に850枚の棚田が広がる展望は絶景。日本の棚田百選にも選定されている。また,別の季節にも訪れてみたいものだ。
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです。

 

inserted by FC2 system