ミカン科ミヤマシキミ属ツルシキミ,学名:Skimmia japonica var. intermedia f. repens,かのんの樹木図鑑
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ミカン科ミヤマシキミ属】 学名:Skimmia japonica var.intermedia f.repens
 ツルシキミ
【 蔓樒 】 別名/ツルミヤマシキミ,ツルミヤマシキビ 
 ●常緑低木
 ●高さ:幹の下部は地を這い,上部は斜上し高さ50pになる。
 ●花期:4〜5月
 ●果期:12月〜翌年2月
 ●分布:北海道,本州
(東北地方,中部地方以西の日本海側),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉,2001年,P239
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P383

2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
2004.2.4 岡山県吉備中央町大平山」
葉は互生(ごせい),先端部に集まり輪生状になる。
葉身は長さ6〜12p,幅3p。倒卵状長楕円形で基部はくさび形,先端は鈍くとがる。
全縁
(ぜんえん)で縁が裏面に少し反り返る。革質で両面とも光沢がある。油点があり,葉を傷付けると柑橘系の匂いがする。主脈は太く,裏面に隆起するが,側脈はほとんど目立たない。
2004.2.4 岡山県吉備中央町大平山」
雌雄別株,つまり,雄花をつける株と雌花をつける株が別にある。
中に赤味の強いつぼみの株もあり,なぜこのような違いがあるのか不思議に思った。
2007.4.23 岡山県吉備中央町大平山」 2007.4.23 岡山県吉備中央町大平山」
枝先に円錐花序を出し,花を近づけるとかすかに良い香りがする。花弁,雄しべは4個。雌雄別株。写真は雄花。
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
核果(かくか)。直径5〜8oの球形で,鮮やかな赤色に熟す。アルカロイドを含み有毒とされる。
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
幹の下部は地を這い,上部は斜上し,高さは膝丈くらいになる。上の株はその典型だが,下の写真のようにいきなり立ち上がっている株も意外に多い。
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」 2004.2.4 岡山県吉備中央町大平山」
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
ツルシキミはしばしば群生するらしい。上の写真の林床はツルシキミで覆い尽くされている。種子が有毒であるため遠くへ散布されないため,このような群落になるのか?
2004.2.4 岡山県吉備中央町大平山」 2011.12.31 岡山市御津宇甘
幹は灰褐色で,いぼ状の皮目がある。質はしなやか。 イチイガシが優先する樹林内で見つけた。岡山県内では中・北部の積雪地帯に分布するので,もしかするとミヤマシキミかもしれない。
2004.2.4 岡山県吉備中央町大平山」
冬芽は鮮やかな赤色で,先端が尖る。
比較写真(ツルシキミ,コショウノキ,シキミ)
本種は,全株にアルカロイドを含み有毒だが,ミヤマシキミの方がさらに毒性が強いとされる。けいれん性の毒で葉や果実に多く含まれるため,シカなどの食害を受けない。
生け花に利用されるそうだが,私は見たことはない。
名の由来
つる性のシキミの意味。シキミ科のシキミに葉の質感,独特の匂いがするところなど,似ているが分類上はまったくの別種。
岡山県情報
山渓ハンディ図鑑4(※1)によると,本州では日本海側に分布とあるが,岡山県野生生物目録にもツルシキミは記載され,中部から北部にかけて普通に見られるとのこと。
上で紹介した吉備中央町の「大平山」は,山頂の標高が697mあり,その山腹は岡山県におけるブナの南限として知られている。
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