カバノキ科ハンノキ属ケヤマハンノキ,学名:Alnus hirsuta,かのんの樹木図鑑
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【カバノキ科 ハンノキ属 ハンノキ亜属】 | Alnus hirsuta Turcz. | |
【 毛山榛の木 】 別名/ −− | ||
●落葉高木(らくようこうぼく) ●高さ:10〜20m ●花期:4月 ※吉備高原では毎年2〜3月には開花している… ●果期:9〜10月 ●分布:北海道,本州,四国,九州 |
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参考文献 ・高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P170 ・岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年 |
パイオニアプランツの生き方 ケヤマハンノキの根には放線菌が共生している。放線菌は空気中の窒素を固定する能力があり,ケヤマハンノキは,その窒素を利用することで,貧栄養の土地でも高木にまで生長できる。 本種やその仲間が“のり面”保護に利用されることが多いのはそのためである。 吉備高原都市周辺では,同様にオオバヤシャブシ,ヒメヤシャブシも道路沿いでよく目にするが,いずれものり面保護用に導入されたものが野生化したと考えられている。 パイオニア的特徴をもつ植物は,一般的に寿命は短く,ケヤマハンノキも20年程度で成木になり,40年程度で寿命を終えると言われている。栄養の乏しい土地で,放線菌の力を借りていち早く生長,どんどん種子をばらまき,他の競争相手が追いついてくる頃には,さっさと寿命を終えて世代交代をしてしまうという生き方である。 図鑑では,タニガワハンノキ A. inokumaeや,ヤマハンノキ A. hirsuta var. sibiricaとの区別が問題になることが多いが,岡山県に限って言えば,タニガワハンノキは自生しない。ヤマハンノキは,ケヤマハンノキの変種とされ,全体に毛がないものを指すが,中間型もあるということ(※1)。
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葉の下面がほぼ無毛のヤマハンノキに対して,毛の多いヤマハンノキの意味。 ヤマハンノキは,湿地に多いハンノキに対して,山間部に多いハンノキの意味。 ハンノキは,ハリノキ(榛の木)の転訛とされている。 しかし,この「はり」が何を意味するかについては諸説あり,雑木や草が群がり生える「やぶ」の意味であるとする説や,開墾の意味の古語「墾(針)」であるとする説などがあるようだ。 私としては,ハンノキが稲のはざ掛けに用いられたことから,「梁の木」だったのではないかと思うのだがいかがだろうか。 |
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岡山県では県内全域に広く分布している。砂防緑化様に植栽されたものが野生化したと考えられている。 吉備高原都市周辺では,同様にのり面工事のためにヒメヤシャブシ,オオバヤシャブシが多く用いられたようである。 開花時期に,少しずつのずれがあるのでまとめてみた。 |
ケヤマハンノキ | オオバヤシャブシ | ヒメヤシャブシ |
2月〜3月 | 3月下旬〜4月 | 4月〜5月上旬 |
(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです |
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