もどる ホーム ←検索サイトから来られた方は,ホームへおいで下さい!かのんの樹木図鑑,オオバヤシャブシ,学名:Alnus sieboldiana

 カバノキ科 ハンノキ属】   Alnus sieboldiana
 オオバヤシャブシ  
【大葉夜叉五倍子】   別名/ −−
 ●落葉小高木(らくようしょうこうぼく)
 ●高さ:5〜10m
 ●花期:3〜4月 雌雄同株
(しゆうどうしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(福島県南部〜和歌山県の太平洋側),伊豆諸島
   (日本固有)
参考文献
・高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P160
・岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年
2008.6.9 岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい)。基部は円形で左右不相称,先端は尖る。縁には重鋸歯(じゅうきょし)が並ぶ。側脈は直線的で明瞭,縁まで達する。表面には光沢があり,脈上及び脈間にわずかに伏毛(ふくもう)がある。裏面も脈腋(みゃくえき)や脈上にわずかに毛がある程度。図鑑によると裏面には腺点があるということ。裏面が部分的に光っているのはおそらくそのためだろう。
H15.6.28 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.6.28 岡山県加賀郡吉備中央町
H15.6.28 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.2.9 岡山県佐伯町「自然保護センター」
縁にはするどい重鋸歯(じゅうきょし)がある。
H15.2.10 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.2.10 岡山県加賀郡吉備中央町
枝先に葉芽,その下に雌花序,雄花序の順で冬芽がならぶ。 さらにその下には,昨年の果穂(かすい)が残っている。
H16.3.19  岡山県加賀郡吉備中央町
この順番がオオバヤシャブシを見分ける際のポイント。
 まだまだ開花には至っていないが,1ヶ月前と比べると,雌花序も雄花序もかなり大きくなってきている。

 すぐ近くには,ケヤマハンノキがあるが,こちらはすでに,花粉を出し終わり,雄花序はかなり落ちてしまった。約1ヶ月早い。

 また,ヒメヤシャブシの開花は,オオバヤシャブシよりも,若干遅い。
 
H16.3.19  岡山県加賀郡吉備中央町
 3月末,雄花序がだいぶん長くたれ下がってきた。よく見るとたくさんの雄しべが確認できる(右写真)。
 また,雌花序は赤味を帯びてきた(左上写真)。
 左の写真は,越冬した果穂。しだいに果鱗にすきまがあいて,中から堅果(けんか)をだし始める。
H16.3.31  岡山県加賀郡吉備中央町
2010.1.24  岡山県加賀郡吉備中央町 2010.1.24  岡山県加賀郡吉備中央町
2005.12.12  岡山県「21世紀の森」 2005.12.12  岡山県「21世紀の森」
堅果(けんか)は楕円形で,頂部には花柱が残る。両側には翼(よく)がある。 落葉樹は,落葉前に葉の中の養分をできるだけ回収するそうだが,本種は写真のように,まだ緑色の葉を落とす。
ハンノキの仲間の根には放線菌が共生しており,空中の窒素を固定しハンノキに供給している。そのため生活にゆとりがあるのではないかという話を聴いたことがある。
見どころ
ヤシャブシの仲間のほとんどが,枝先に雄花序をつけるが,オオバヤシャブシのみが基部から,雄花序,雌花序,葉芽の順でつく。

ヤシャブシやハンノキの果穂
(かすい)は,タンニンの含有量が多く,染め物ができる。
名の由来
大きな葉をもつヤシャブシの意味。
ヤシャブシは,果穂のぼこぼこした感じを,夜叉に喩えたとされる。フシ(付子)は,虫こぶの意味。果穂にタンニンを多く含み,かつてはお歯黒にも利用された。
岡山県情報
岡山県内では,特に中南部に多く,全域に分布する。砂防緑化用に植栽されたものが野生化したと考えられている。
吉備高原都市周辺では,同様にのり面工事のためにケヤマハンノキヒメヤシャブシが多く用いられたようである。
開花時期に,少しずつのずれがあるのでまとめてみた。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです
ケヤマハンノキ オオバヤシャブシ ヒメヤシャブシ
2月〜3月 3月下旬〜4月 4月〜5月上旬
メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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