カバノキ科ハンノキ属ヒメヤシャブシ,学名:Alnus pendula,かのんの樹木図鑑
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  カバノキ科 ハンノキ属】   Alnus pendula
 ヒメヤシャブシ  
【姫夜叉五倍子】   別名/ ハゲシバリ(禿縛り)
 ●落葉小高木(らくようしょうこうぼく)
 ●高さ:2〜7m
 ●花期:3〜5月 雌雄同株
(しゆうどうしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:北海道,本州,四国 (日本固有)
参考文献
・高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P162
・岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年
2008.6.9 岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい)。基部はくさび形で,先端は尖る。縁には細かな重鋸歯(じゅうきょし)が並ぶ。側脈は直線的で間隔が狭く,葉の縁に達する。裏面の脈上には伏毛(ふくもう)がある。図鑑には表面は無毛とあるが,私の観察では側脈間に褐色の伏毛がある。後に無毛になるのか?
2010.6.19 岡山県加賀郡吉備中央町 2003.6.28 岡山県加茂川町
オオバヤシャブシに似ているが,葉が小さく細いので容易に見分けがつく。 葉脈(ようみゃく)は裏面に隆起する。
2003.6.28 岡山県加茂川町 2003.11.24 岡山県吉備高原
若い果穂(かすい)。ヤシャブシの仲間で最も小さく,長さ約1.5cm。3〜6個が垂れ下がる。 果穂は,堅果(けんか)が落ちた後も長く枝に残る。
果穂のでる枝の先端には,雄花序がついていた枝がある。オオバヤシャブシ以外のヤシャブシの仲間はすべて雄花序が先端に付く。
2003.11.24 岡山県吉備高原 2003.12.25 岡山県吉備高原
樹皮(じゅひ)は黒褐色で,横長の皮目(ひもく)が目立つ。
オオバヤシャブシや,ヤシャブシとは明らかに異なる。
先端が,雄花序の冬芽,その下には,葉芽(はめ・ようが)または,雌花序の冬芽がつく。
2004.3.13 岡山県吉備高原 2004.3.13 岡山県吉備高原
12月の写真とほとんど代わり映えしないが,やや色が濃くなっているようだ。 葉芽(はめ・ようが)または,雌花序の冬芽。
2004.4.8 岡山県吉備高原 2004.4.8 岡山県吉備高原
4月に入るとかなり雄花序が展開してきた。 近寄ってみると,葯(やく)が割れているものと,まだ割れていないものが混在しているのが分かる。
2004.4.8 岡山県吉備高原 2006.4.13 岡山県吉備高原
ヒメヤシャブシは,枝先に雄花序,少し後方に雌花序がつく。
見どころ
ヒメヤシャブシをはじめとするハンノキの仲間は,根に共生する放線菌の空中窒素固定能力により,貧栄養な土地でもいち早く生長できる。その能力を買われて,道路工事後の砂防緑化に利用される。
名の由来
ヒメは,ヤシャブシよりも小型であることを意味する。ヤシャブシは,果穂のぼこぼこした感じを,夜叉に喩えたとされる。フシ(付子)は,虫こぶの意味。果穂にタンニンを多く含み,かつてはお歯黒にも利用されてきた。
別名のハゲシバリは,むき出しの土地の土砂止めとしての機能に由来。
岡山県情報
岡山県では,中南部を中心に全域に分布する。のり面工事のために植栽されたものが野生化したと考えられている。
吉備高原都市周辺では,同様にのり面工事のためにケヤマハンノキオオバヤシャブシが多く用いられたようである。
開花時期に,少しずつのずれがあるのでまとめてみた。
ケヤマハンノキ オオバヤシャブシ ヒメヤシャブシ
2月〜3月 3月下旬〜4月 4月〜5月上旬
メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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