ブナ科コナラ属ウラジロガシ,学名:Quercus salicina,by.かのんの樹木図鑑
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 ブナ科 コナラ属】  Quercus salicina
 ウラジロガシ
  
【 裏白樫 】   別名 / ホソバガシ,カシノキ,シロガシ
 ●常緑高木
 ●高さ:20m
 ●花期:5月 (雌雄同株)
 ●果期:翌年の秋 (2年で熟す)
 ●分布:本州(宮城,新潟県以西),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P262
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P367
(3) 竹入隆弘著,岡山県の照葉樹林観察の手引2,照葉樹林研究会,1992年
(4) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木,1989年,P222
(5) おかやまの自然第2版,岡山県環境保健部自然保護課,1993年

葉身9p,葉柄1p,幅2p (04/12/31)
2003.6.29 岡山県自然保護センター
2010.3.19  岡山県真庭市豊栄
2012.1.7 岡山県総社市種井
互生。縁の上部3分の2ぐらいに鋸歯がならぶ。シカラシととてもよく似ているが,裏面が白いことと,先端が尾状に長く伸びる点,縁が波打つ点などで区別できる。裏面の白は図鑑によるとロウ質ということで,火であぶるとすっと白いのが消えてしまう。ただし,白さ加減は個体差があるので,注意が必要。
また,肉眼では確認しづらいが,脈沿いにやや長めの褐色の毛が散生している。
2012.1.7 岡山県総社市種井 2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
ウラジロガシを葉で同定するに当たっては,この写真の雰囲気を知っておくことが大切である。とにかく,葉の縁がうねっているので,全体にばらばらした雰囲気である。そして,先端の尾状にとがった部分では,よれている葉が多い。 20m近い高木の場合,葉を確認することはなかなか難しい。落葉した葉も同定のヒントになる。ウラジロガシの落ち葉の裏面はややくすんだ白色をしている。
2012.5.7 岡山県高梁市巨瀬町 2012.5.4 岡山県高梁市成羽町
雌花序は新枝の上部の葉腋(ようえき)につく。花柱は3個。 雄花序は5〜7p。新枝の下部から垂れ下がる。
 
2012.9.30 岡山県自然保護センター 
2012.1.7 岡山県総社市種井
ウラジロガシのドングリ(堅果),球形なのはシロダモ(クスノキ科)の種子。
堅果
(けんか)は,長さ1.2〜2p。シラカシに比べると,殻斗(かくと)側がややすぼまったようになっているのが特徴。形はウバメガシに似ているように思う。
受粉後,翌年の秋に熟す。殻斗は椀状で横縞がある。
2012.1.7 岡山県総社市種井
2012.1.7 岡山県総社市種井
照葉樹林内のウラジロガシの大木。胸高直径は2m近いだろう。樹皮は暗い灰色で平坦。図鑑には「割れ目はない」と書かれていることが多いが,上のような大木では,皮目(ひもく)が縦に連なり,浅い割れ目になっていることが多い。
樹皮だけではシラカシなどとの区別は困難だと思う。
2012.1.7 岡山県総社市種井 2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
こちらは周囲約50pぐらいの木。やはり平坦ではあるが,色合いはやや茶褐色。 祇園寺の社叢林内の大木。中央の幹は「うろ」になり,ひこばえが成長して世代交代を果たしている。
2012.1.7 岡山県総社市種井
冬芽は細長く,芽鱗(がりん)には長い伏毛(ふくもう)が多い。シラカシの冬芽はこのように細長くなく,ほぼ無毛である。
ぱっと見た葉の印象は,シカラシ(Q. myrsinaefolia)(図2)とよく似ている。ウラジロガシは名前の通り裏面が白いのが最大のポイントである。しかし,シカラシの葉の裏面も灰緑色と表現されるように白っぽい色であるし,ウラジロガシも裏面の白さ加減には個体差がけっこうある。
私は,葉の先端が尾状にやや撚れながら伸びる点や,縁が波打つ点,さらには冬芽などから総合的に判断するようにしている。
図1 ウラジロガシ 図2 シラカシ
樹皮や葉には,尿路結石症,胆石症などの結石を溶かして排出を促進するはたらきのある成分を含み,古くから徳島県で民間療法に用いられてきたが,近年は全国的に普及している(2)
木材は,建築材,器具材に用いられる
(1)
名の由来
葉の裏面が白いカシ(樫)の意味。別名のホソバガシは葉が細長いことによる。
岡山県情報
岡山県では,南部には少なく,中部から北部にかけて広く分布する。土壌層の薄いところにも生育できるため,山の尾根筋などにも生える(3)。岡山県内でウラジロガシを主な優占種とするのは,勝山町神庭,高梁市(旧川上町)穴門山(4)
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