オミナエシ科カノコソウ属ツルカノコソウ,学名:Valeriana flaccidissima,かのんの樹木図鑑
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ツルカノコソウ

オミナエシ科 カノコソウ属                           多年草
学名 : Valeriana flaccidissima Maxim.
( 蔓鹿の子草 ) 別名/ヤマカノコソウ
花 期  4〜5月
分 布 本州・四国・九州
生育地 山地の木陰の湿ったところ
参考図書
(1) 畔上能力監修,山に咲く花,山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑2〉,1996年,P94
(2) 高橋勝雄著,山と渓谷社,山渓名前図鑑「野草の名前 春」,2002年,P223
(3) 佐竹義輔ほか編,日本の野生植物 草本V合弁花類,平凡社,1981年
(4) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年


2006.4.24 岡山県吉備中央町豊岡
散房花序(さんぼうかじょ)。花冠(かかん)は5中裂(ちゅうれつ)し平開する。花冠はふつう白色だが,赤味を帯びるものもある。この個体はかなり赤味が強いようだ。
2006.4.24 岡山県吉備中央町豊岡
葉は奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で対生している。頂小葉(ちょうしょうよう)が最も大きく,葉軸は赤色を帯びている。縁にはゆるやかな波状の鋸歯(きょし)があるのが普通だが,この個体はきわめて鋸歯が少ないようだ。
2009.5.2 岡山県真庭市「神庭の滝」
真庭市の「神庭の滝」で見かけた個体。どちらかと言えば上(豊岡)よりも,こちらの方が標準型か…。花冠は純白に近く,小葉には波状の鋸歯がある。
2009.5.23 岡山県美咲町 2009.5.23 岡山県美咲町
柱頭の先端は2裂し,花冠から突出しているが,3個の雄しべは,花冠とほぼ同長。 そう果は長さ2〜2.5p。羽状の冠毛があり,風散布される。
2012.4.28 岡山県高梁市川上町
近縁にカノコソウValeriana faurieiがあり,こちらは小葉の鋸歯が粗い。雄しべが花冠から突出するなどの違いがある(3)
小葉の縁 雄しべの長さ 花冠の長さ 備考
カノコソウ 粗い鋸歯 花冠から突き出る 4-7o  
ツルカノコソウ 波状の鋸歯 花冠から突き出ない※ 2o 花後に細い走出枝をのばし,
先端に新苗をつくる。
※ツルカノコソウの雄しべも花冠からは突き出ているように思うが…,たぶん最大の違いは花後の走出枝を出すことなのだろう。
名の由来
花後,細長い走出枝を伸ばし増えるため,「ツル」の名が付けられている。
“鹿の子”とは“鹿の子絞り”のことで,絞り染めの模様に白色の星形を隆起させて染め出したもの
(高橋勝雄著,山と渓谷社,山渓名前図鑑「野草の名前 夏」,2003年)。散房花序の白い花と紅色の蕾が織りなす模様を鹿の子絞りに見立てたとされる。
岡山県情報
岡山県北部及び,中部で普通に見られ,南部で少ない(4)
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