モチノキ科モチノキ属クロガネモチ,学名:Ilex rotunda,かのんの樹木図鑑
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 モチノキ科 モチノキ属】  Ilex rotunda
  クロガネモチ
【 黒鉄黐,鉄黐 】 別名 / アクラ[岡山県],フクラモチ
 ●常緑高木
 ●高さ:10m (まれに20mに達する)
 ●花期:6月頃 (雌雄別株)
 ●果期:11〜12月
 ●分布:本州(関東地方・福井県以西),四国,九州,沖縄
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社),P474
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社),P398

H15.6.29 岡山県自然保護センタ−
葉は互生(ごせい)。葉身は楕円形で,長さは6〜10cm。先端はとがり,基部はくさび形,縁は全縁(ぜんえん)。葉柄(ようへい)は,紫色を帯びることが多い。葉は,モチノキと比べて,舟状におれる傾向があり,その特徴は古い葉ほど顕著に表れる。
2006.6.11 岡山県自然保護センター 2011.6.26 岡山県加賀郡吉備中央町
雌雄別株。つまり,雄花をつける株と雌花をつける株がある。本年枝の葉腋(ようえき)に散形花序(さんけいかじょ)をつける。写真は雄花。花弁は反り返るように4〜6個つき,目立たない。雄しべが4〜6個あり,中央には退化した柱頭がある。 こちらは雌花。中央に柱頭があり,その周囲には退化した雄しべがある。
H15.10.3 岡山市「生涯学習センター」 H16.12.18 岡山県倉敷市
果実は赤色で球形,直径6mm。葉腋(ようえき)から伸びる柄の先に散形状につく。核果(かくか)
上の写真はまだ完全に熟していない。
倉敷市で街路樹として植えられていたものが,たわわに果実を付けていた。散形状についているのがよく分かる。
2006.12.25 岡山市「生涯学習センター」
果実の中には4〜6個の核がある。(核とは内果皮が木質化し種子を包み込んでいるものを指す。) 核は茶褐色で,三日月形。
2010.1.24 岡山県吉備中央町 2006.12.24 岡山県吉備中央町
新枝は,紫色を帯び,角張る。冬芽は小さくて目立ちにくい。 美しく剪定されたクロガネモチ。和風の庭木として人気がある。
2012.1.9 岡山県倉敷市「種松山」
クロガネモチの幼木。葉縁には小さいが顕著な鋸歯が並ぶ。成葉に比べるとやや細いようだが,舟形に折れた様や,赤味を帯びた葉柄などはクロガネモチの特徴をよく呈している。
見どころ
クロガネモチは,葉腋から伸びる1本の柄から花や果実を散形状につけるが,モチノキは,葉腋から短枝を伸ばし花や果実を付ける。また,クロガネモチは直径が約6oで赤色が濃く,モチノキは約1pでやや淡い赤色。
名の由来
モチノキに似るが,新枝や葉柄が黒っぽい紫色なのでクロガネモチという。
乾燥した葉は黒っぽくなり,黒金(鉄の古称)を連想させるからという説もある
2)

岡山県での地方名をアクラといい,岡山市の市木に指定されている。これの由来については,情報が見つからなかったので,私の考えを述べる。岡山県では,クロガネモチよりごく普通に見かけるソヨゴをフクラシバと言う。…とすれば,「新枝が赤味を帯びたフクラシバ」という意味で,アカフクラ。それが短くなってアクラとする説はどうだろう。
岡山県情報
沿岸部の照葉樹林内に自生する。岡山県では,南部のみに分布する。
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