モクセイ科トネリコ属マルバアオダモ,学名:Fraxinus sieboldiana,かのんの樹木図鑑
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 モクセイ科 トネリコ属】  Fraxinus sieboldiana Blume
  マルバアオダモ  
【 丸葉アオダモ 】   別名 / ホソバアオダモ ・ トサトネリコ ・
                     コガネアオダモ
 ●落葉高木
 ●高さ:5〜15m
 ●花期:4〜5月(雌雄別株)
 ●果期:
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献:「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」(山と渓谷社) P240

2008.4.28 岡山県吉備中央町
H17.4.25 岡山県「大平山」
 大平山の麓を車で走っていて,白い雲のようなぼわっとした花がときおり目に付いた。近寄ってみて,マルバアオダモの花序と分かった。一度,目に付きだすと今まで気付かなかったのが不思議なくらいあるのが分かる。
  マルバアオダモは,枝先に白い多数の小花からなる円錐花序
(えんすいかじょ)をつける。花冠は線形に4全裂して突き出た雄しべの葯(やく)も目立つ。
 図鑑で見ると雌雄別株で,雄花と両性花
(りょうせいか)があるという。上の写真は,どうやら雄花のようだ。
2011.6.12 岡山県「自然保護センター」 2011.6.12 岡山県「自然保護センター」
葉は,奇数羽状複葉(うじょうふくよう)で,対生(たいせい)。小葉(しょうよう)は,通常1〜2対。まれに3対ある。縁には微細な鋸歯(きょし)がある。 下面には,主脈(しゅみゃく)沿いに白い毛がある。また,葉軸と葉柄(ようへい)には,微細な毛と,短い腺毛(せんもう)がある。小葉(しょうよう)のつく葉軸が紫色を帯びる。
2011.6.12 岡山県「自然保護センター」 2011.6.12 岡山県「自然保護センター」
頂小葉(ちょうしょうよう)。側小葉(しょうよう)に比べて,葉身の基部が細く,小葉柄が長い。 側小葉(しょうよう)。葉身の基部が左右不相称。先端に近い側がくびれている。
H15.6.29 岡山県「自然保護センター」 2008.4.28 岡山県吉備中央町
小葉の縁が波打った個体もよく見かける。 樹皮は滑らかで灰白色。表面にはしばしば地衣類が付着している。一見してソヨゴ(Ilex pedunculosa)の樹皮と似ている。老木では縦に裂ける。
H15.6.29 岡山県「自然保護センター」 2011.6.12 岡山県「自然保護センター」
淡紫色の翼果(よくか)を多数つける。長さは20〜30o,幅4〜5oの倒披針形。基部に種子が1個ある。
2011.6.27 岡山県高梁市「臥牛山」
中央が頂芽(ちょうが)。その両側には頂生側芽(ちょうせいそくが)がある。
全体が微細な粉状毛に覆われる。近縁種のアラゲアオダモは,全体が褐色の開出毛
(かいしゅつもう)に覆われる。
小葉の鋸歯 若枝の毛の様子 冬芽・芽の様子
マルバアオダモ 鋸歯は低く,不明瞭 若い枝に腺毛が多い 微細な粉状毛に覆われる
アラゲアオダモ
(ケアオダモ)
明瞭な細鋸歯がある 若い枝に粗い白毛が多い 褐色の開出毛に覆われる
私見だが,小葉の鋸歯の様子は同一個体の中でも差違があり,なかなか判断が難しいと感じている。同じく葉裏の主脈上の毛の量と質も微妙である。
名の由来
「アオダモ」は,枝を切って水につけると水が青くなることによる。
「マルバ」は,同属のアラゲアオダモ(ケアオダモ)は鋸歯が目立つのに対して,本種は鋸歯が低く不明瞭なことによる。
岡山県情報
岡山県内は,南部に多く,中部で普通,北部に行くほど少なくなり,変わってアラゲアオダモ,ヤマトアオダモが多く見られるようになる。
同属のヤチダモ,シオジは希少種に指定されるほど個体数が少ない。(「岡山県野生生物目録2003年度版」)
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