モチノキ科モチノキ属ソヨゴ,学名:Ilex pedunculosa,かのんの樹木図鑑
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 モチノキ科 モチノキ属】  Ilex pedunculosa
  ソヨゴ 
【 −− 】 別名/フクラシバ(膨ら柴,膨らし葉),フクラシ,クロシバ,ヒクラシ
 ●常緑低木(じょうりょくていぼく)〜小高木(しょうこうぼく)
 ●高さ:3〜7m
 ●花期:6〜7月 雌雄異株
(しゆういしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(新潟・茨城県以西),四国,九州
参考文献
(1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社)P468
(2) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木,1989年
2008.6.9 岡山県吉備中央町
H14.11.20 岡山県「長船美しい森」
葉は互生(ごせい)。基部はくさび形で,先端は尖る。縁は全縁(ぜんえん)で波打つ。幼木や徒長枝では小さな鋸歯が表れることもある。両面とも無毛。質は厚く,しなやか。側脈はあまり目立たない。
2010.6.11 岡山県高梁市「臥牛山」 2010.6.11 岡山県高梁市「臥牛山」
本年枝の葉腋(ようえき)に花を付ける。
雌花はふつう,長さ3〜4pの柄に1個の花をつける。(まれに2〜3個つけることもある)
雌花。中央に雌しべが1個,周辺に退化した雄しべがある。
2010.6.10 岡山県吉備中央町
雄花は,散形状に3〜8個つく。
黄色い葯
(やく)の雄しべが4〜5個あり,中央には退化した雌しべがある。
H15.6.29 岡山県「自然保護センター」 H14.11.20 岡山県「長船美しい森」
長さ3〜4pの球形。果柄は長く,熟すと赤色になる。緑の葉に赤い果実はとてもよく目立つのがあまり鳥に人気がないのか,春先まで残っていることが多い。
H16.11.27 岡山県吉備高原
気をつけなければ見逃してしまいそうな小さな冬芽。頂芽(ちょうが)はやや大きいが,側芽(そくが)は本当に小さい。
H16.11.27 岡山県吉備高原 H14.11.20 岡山県「長船美しい森」
「ソヨゴタマバエ」による虫こぶ。たいへんよく見かける。中には複数の部屋があり,黄色い幼虫が入っているのを確認した。 虫こぶは古くなっても枝に残る。
H17.1.8 岡山県「21世紀の森」
樹皮はなめらかで灰褐色。地衣類が付着していることが多い。またコブ状のふくらみをしばしば見かける。
H15.10.29 岡山県加茂川町「21世紀の森」
アカマツ林の中で見つけた高さ30pほどの幼木。ふつうソヨゴの葉は全縁(ぜんえん)だが,幼木では微細な鋸歯(きょし)がある。
近年,庭木として人気がでているという話題をネット上で目にするが,岡山県では庭木としてのソヨゴを見かけたことがない。

サカキやその代用としてヒサカキが,神事に用いられるのは知られた話だが,岡山県ではソヨゴも同様にお正月のしめ縄など神事に代用することがある。その際は「福良柴」などと縁起をかついだ解釈がなされる。

別名をフクラシバ(膨ら柴)ということからも分かるように,「柴」としての利用は古くからされてきたのだろう。
乾燥に強く,萌芽再生力があるため,定期的に伐採される雑木林によく適合した樹木であり,西日本の雑木林ではどこに行ってもごく普通に目にする。
右のような株立ちは,伐採された後,萌芽更新した証だろう。
名の由来
「ソヨゴ」は,葉が風にそよぐ様子に由来すると言われている。しかし,ヤマナラシの名が葉がそよぐ音に由来するとされるのには十分に納得できるが,ソヨゴの葉がそんなに心地よくそよいでいるようにはどうしても思えない。
私はむしろ,ソヨゴの葉の最大の特徴である葉縁の波打った様子を,「そよいでいる」と表現したのではないかと思うのだが,いかがだろう。

別名の「フクラシバ」「フクラシ」は,葉を火にくべると,内部の水が水蒸気になり,葉が膨らむ特徴を「膨らむ柴」あるいは「膨らし葉」と言ったとされる。岡山県では,ソヨゴよりもフクラシバの方が地域のお年寄りに通じる。
岡山県情報
岡山県では全域に広く分布する。
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