イチイ科カヤ属カヤ,学名:Torreya nucifera,かのんの樹木図鑑
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 【イチイ科 カヤ属】   Torreya nucifera
  カ ヤ 
【 榧 】
 別名 /ホンガヤ(本榧),カエ,カヤノキ(榧の木)
 英名 /Japanese Torreya
●常緑高木
●高さ:20〜35m
●花期:4〜5月 ,雌雄異株
●球果:翌年9〜10月
●分布:本州(宮城県以西),四国,九州
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」(山と渓谷社)P660
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P425
葉身3〜3.5p,幅4o。(2007.2.4 岡山県吉備中央町「大平山」)
葉は扁平な線形で,長さ約2〜3p。水平に2列に並ぶ。質は堅く,先端は針状に尖り,ふれると非常に痛い。(その痛さはイヌガヤの比ではない)
2010.6.7 岡山県加賀郡吉備中央町 H17.1.15 岡山市
葉裏には白い気孔帯(きこうたい)が2本ある。イヌガヤにくらべると細いのが特ちょう。
H15.2.1 岡山市「半田山植物園」 H16.1.4 岡山市「半田山植物園」
未熟な種子。9月頃までかけて成熟していく。
2005.8.4 岡山市「半田山植物園」 H16.1.4 岡山市「半田山植物園」
明るい緑色の仮種皮(かしゅひ)をつけた種子。長さ2〜3pの卵形。仮種皮を身にまとったまま落下する。 地面には,種子がたくさん落ちおり,なかには何かがかじった痕のあるものもあった。種子を割ると,独特の芳香りが強烈に漂う。
2010.6.7 岡山県加賀郡吉備中央町
樹皮は薄く剥がれ落ちる。成長は遅いが,樹齢は数百年と長い。
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
カヤの幼木。幼木でも葉の先端はするどくとがり,触れると痛い。幼木や徒長枝では葉はらせん状に並ぶ。
雄花は淡黄色をした長さ1pほどの楕円状で,2年枝の葉腋に付く。雌花は緑色の卵形で,新枝の頂部に群がる2)
イヌガヤと分布域が重なり,同じ場所にもよく見られる。図1はイヌガヤ(Cephalotaxus harringtonia),葉は3〜5pとカヤよりもやや大きく,柔らかく握っても痛くない。裏面の気孔帯は太い。図2はカヤ,葉は2〜3p,堅く,先端は針状で,握ると痛い。裏面の気孔帯は細い。
吉備高原でよく見かける似た3種の比較(カヤ・イヌガヤ・モミ) →比較写真
図1 図2
材は緻密で独特の芳香があり,風呂桶,碁盤,将棋盤などに用いられる。特に,碁盤・将棋盤はカツラ,イチョウのほか北米産のスプルース材などが出回っているが,カヤは最高級品とされる。
かつては,種子から灯火油を採取した。また,種子は炒って食用にできる。
(2)
名の由来
「カヘ」(古名)が変化したもの。葉を燻して,蚊を追い払う「蚊遣り(かやり)」に使ったことに因む2)
岡山県情報
内陸に自生する常緑針葉高木,朝鮮半島にも分布する。
岡山県内では,中部の吉備高原に分布の中心があり,北部にかけて分布する。
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