ヤマモモ科ヤマモモ属ヤマモモ,学名:Myrica rubur,by.かのんの樹木図鑑
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 【ヤマモモ科 ヤマモモ属】  Myrica rubur
  ヤマモモ 
【 山桃 】 別名/ヤマウメ(山梅),ヨウバイ(楊梅),ヤンメ
 ●常緑高木
 ●高さ:5〜10m
 ●花期:3〜4月 (雌雄異株)
 ●果期:6月
 ●分布:本州(関東地方南部以西),四国,九州,沖縄
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P16
(2) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木,1989年,P253
(3) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P419
H14 岡山県岡山市「操山里山センター」 H15.8.13 岡山県吉備高原 −街路樹−
葉は互生で枝先に集まる。葉身は長さ5〜10pで倒披針形。葉縁はふつう全縁(ぜんえん)。質は硬く,両面とも無毛。
2012.1.15 岡山県加賀郡吉備中央町
幼木や徒長枝では粗い鋸歯(きょし)が出現する。
H15.6.29 岡山県佐伯町「自然保護センター」 H15.12.23 岡山市「子供の森」
核果(かくか)。直径は1.5〜2pの球形。ヒヨドリなどの大型の野鳥やイノシシ,サルなどほ乳類が食べることで,種子散布される。 ヤマモモの雄花序のつぼみ。12月にすでにここまで準備されている。
H16.2.28 岡山市「子供の森」 2005.4.25 岡山市「21世紀の森」
開花直前のつぼみ。
雄花序は長さ2〜3.5p。花に花被はなく,包(ほう)または小苞(しょうほう)につつまれる。
2006.5.15 岡山県吉備中央町
ヤマモモは雌雄別株,つまり,雄花をつける株と,雌花をつける株がある。上の写真は雌花序。雄花序に比べると目立たないので気付きにくい。柱頭は紅色で,2裂している。
H16.3.28 岡山市「総合運動公園」 H14 岡山県岡山市「操山里山センター」
樹形は丸くなる。 樹皮は白っぽい色で平滑。まばらに皮目(ひもく)がある。
ホルトノキ(Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus)との区別
・ホルトノキは,葉のほぼ全体ににぶい鋸歯をもつが,ヤマモモはふつう全縁。
・ヤマモモよりも,ホルトノキの方が,主脈にたいして側脈が,鋭角にでる。 
・ホルトノキは,1年中紅葉した葉がまばらにある。ヤマモモは新葉が赤味をおびることはあるが,このような紅葉の仕方はしない。
果実は,少し松脂のような独特の匂いがあるが甘みが強く,生食できる。また,ジャムにしたり,果実酒にすることも可能。果実の大きい園芸品種があり,徳島県が有名な産地。(1)(2)
樹皮にはタンニンを含み,黄色や茶色の草木染めに用いられるほか,漁網を染める染料に用いられる。
(1)(3)
また,樹皮を乾燥させたものを生薬名「楊梅皮(ようばいひ)」といい,下痢止めや利尿剤とする。
(3)
材は堅くて割れにくく,農具や櫛などの器具材として利用される。
(1)(3)
名の由来
バラ科モモに対して,野山にあるモモの意味だろう。古代日本にはモモはなかったことから,「古事記」などに出てくるモモは,ヤマモモであったとする説がある。
岡山県情報
岡山県では,南部や海岸部を中心に多く自生する。吉備高原は本来の分布域ではないが,吉備高原都市周辺では開発に伴い多く植栽されており,逸出したと思われる株も目にする。
ヤマモモは,窒素固定能力のある放線菌
(ほうせんきん)を根に寄生させており,やせ地でもよく成長することから「肥料木」として,よく植栽されたという経緯がある。
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