ウルシ科ウルシ属ヤマハゼ,学名:Rhus sylvestris,かのんの樹木図鑑
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 【ウルシ科 ウルシ属】  Rhus sylvestris
  ヤマハゼ  
【 山黄櫨 】   別名 / ハゼ
 ●落葉小高木(らくようしょうこうぼく)
 ●高さ:5〜8m
 ●花期:5〜6月 雌雄異株
(しゆういしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(関東地方以西),四国,九州,沖縄
参考文献:「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社) pp278-279
奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で互生(ごせい)する。小葉は基部は円形〜くさび形,先端はやや尾状にとがる。葉軸(ようじく)や小葉柄(しょうようへい)には,軟毛が密生し,やや赤みを帯びることが多い。吉備高原では,ヤマウルシと同じような生育環境にあり,見た目もよく似ているが,ヤマウルシよりも,本種の方が,小葉の幅が狭く,シャープな感じがする。また,よく観察すれば,側脈(そくみゃく)が主脈に対して鈍角に出ていることも識別のポイントになる。 (2009.6.30 岡山県高梁市有漢町)
2006.5.28 岡山県「自然保護センター」
雌雄別株。すなわち,雄花をつける株と,雌花をつける株がある。写真は雄花。花弁は5個あるが小さく目立たず,裏に反り返る。長い雄しべが突き出て,先端の黄色い葯(やく)が目立つ。ハナバチの仲間がしきりに集まっていた。
2007.6.3 岡山県「自然保護センター」
雌花序の雌花。花軸には毛が多い。花弁は5個あり反り返る。柱頭は3裂。退化した雄しべの跡が見受けられる。子房は無毛。
H15.6.29 岡山県「自然保護センター」 H15.6.29 岡山県「自然保護センター」
2008.8.25 岡山県吉備中央町
2017.7.29 岡山県高梁市巨瀬町
2006.8.31 岡山県「ヒイゴ池湿地」 H15.11.16 岡山県「自然保護センター」
枝先に束生した葉腋(ようえき)から,黄緑色の光沢のある果実(核果(かくか))を多数つける。形は扁平。近縁種のハゼノキも無毛だが,ヤマウルシは刺毛(しもう)があることで区別できる。
H15.11.16 岡山県「自然保護センター」
冬芽は裸芽(らが)。
赤褐色の毛が密生して冬の寒さから芽を守っている。
葉痕(ようこん)は,ハート形で,維管束痕が多数ある。
H16.11.13 岡山県「鳴滝森林公園」 H16.11.13 岡山県「鳴滝森林公園」
紅葉が始まっている。ハゼノキほど赤が鮮明でないようだ。ハゼノキが庭木として利用されるのにヤマハゼは利用されないのもなんとなく頷ける。 葉軸は赤味を帯びることが多く,毛が密生している。ハゼノキは,無毛である。
この写真をみると,葉軸だけでなく主脈
(しゅみゃく)上にも毛が密生しているのが確認できる。
  葉軸 葉の縁 果実
ヤマウルシ 軟毛がある 全縁,幼木は鋸歯あり 球形,表面に刺毛
ヤマハゼ 毛が密生 全縁 扁平,表面は無毛
ハゼノキ 無毛 全縁 扁平,表面は無毛
ヌルデ(フシノキ) 翼がある 鋸歯有り 扁平,表面に細毛,白い結晶あり
【特集】ヤマウルシ,ヤマハゼ,ハゼノキ,ヌルデの葉の比較
名の由来
「和ろうそく」の原料である「木蝋(もくろう)」を採取するために,江戸時代に琉球から移入されたハゼノキに対して,山野で普通に見られるハゼの意味。
ハゼノキが日本に移入されるまでは,ヤマハゼが木蝋(もくろう)採取の主役だった。
岡山県情報
岡山県内では,南部ではハゼノキが多く,中部〜北部では,ヤマハゼが多く分布する。

樹皮にはウルシオールが含まれる。ウルシほど強烈ではないが,かぶれることが多いので注意が必要。
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