ウコギ科タカノツメ属タカノツメ(別名イモノキ),学名:Evodiopanax innovans,かのんの樹木図鑑
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 【ウコギ科 タカノツメ属】  Evodiopanax innovans
 タカノツメ
  
【 鷹の爪 】   別名/イモノキ
 ●落葉小高木〜高木
 ●高さ:4〜15m
 ●花期:5〜6月 雌雄異株
(しゆういしゅ)
 ●果期:9〜10月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州(日本固有種)
参考文献
1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉,2001年,P680
2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P92
2008.6.8 岡山県吉備中央町
葉は互生,三出複葉(さんしゅつふくよう)。葉柄(ようへい)は長く,赤味を帯びている。小葉(しょうよう)は,基部がくさび形,先端は尖る。縁には短い芒状(ぼうじょう)の鋸歯(きょし)がある。両面とも光沢があるが,裏面はより光沢が強い。表面は無毛,裏面の脈腋(みゃくえき)には毛叢(もうそう)があり,その部分は表面が瘤状になっている。葉の質はしなやか。
H15.6.6 岡山県吉備高原 H15.6.6 岡山県吉備高原
ウコギ科の葉には,変異が多い。ときには単葉(たんよう)も見られる。
H15.8.17 岡山市「半田山植物園」 H16.11.27 岡山県吉備高原
葉は短枝(たんし)の先に集まってつく傾向にある。 秋には黄葉が進む。この葉はかなり色黒に焼けているが,ふつうはもっと淡い黄色である。
コシアブラよりはやや濃い。
H15.5.18 岡山県「自然保護センター」 H17.5.15 岡山県「鳴滝森林公園」
散形花序(さんけいかじょ)を総状につける。 雌花序。柱頭(ちゅうとう)は2裂する。
H17.5.22 岡山県「鳴滝森林公園」 H15.9.2 岡山県 吉備高原
雄花序。雄しべは4個ある。 果実(かじつ)は液果(えきか)。黒紫色に熟す。果柄(かへい)ごと落ちている様子をよく目にする。
H15.11.22 岡山県吉備高原 H15.11.24 岡山県吉備高原
短枝(たんし)の冬芽。これがタカノツメの由来といわれる。芽鱗(がりん)は4〜9枚。葉痕(ようこん)は三日月形。 頂芽(ちょうが)
2010.4.24 岡山県加賀郡吉備中央町
2011.4.30 岡山県加賀郡吉備中央町
展開する新葉。新葉はテンプラにするとほどよい苦みがあり美味。成木になると,混芽が見られる。
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
胸高周囲約110p,タカノツメでは大木と言えるサイズ。樹皮は白っぽく平滑。粒状の皮目(ひもく)が疎らにあり,しばしば地衣類(ちいるい)が着生する。また,横向きにしわ状の溝が多数入っている様もよく目にする。
2005.4.30 岡山県吉備中央町「鳴滝森林公園」
吉備高原の落葉樹林で掌状複葉をもつ樹木の代表格が,コシアブラとタカノツメ。しかし,よく観察すると区別は簡単。 
・小葉5枚が,コシアブラ。3枚がタカノツメ。
・葉はコシアブラの方が大型。ひとつひとつの小葉も,コシアブラのほうがふつう大きい。
・葉の付き方は,ともに互生だが,タカノツメは短枝に束生状につく。
新葉にはほどよい苦みがあり,山菜として利用される。テンプラにすると美味い。
材は白くて柔らかく,経木
(きょうぎ)や箸,下駄などに利用されるという。(1)(2)
名の由来
三出複葉を鷹(タカ)の爪に見立てたものかと思ったが,そうではなく,短枝化した冬芽の様子から鷹の爪の名がついたらしい。
別名のイモノキは,材が白くて柔らかいことに由来する。
(2)
岡山県情報
岡山県内全域に広く分布する。
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