ツツジ科アセビ属アセビ,学名:Pieris japonica,かのんの樹木図鑑
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 【ツツジ科 アセビ属】  Pieris japonica (Thunb.) D.Don
  アセビ  
【馬酔木】別名/アセボ,アシビ,ウマゴロシ,ウシゴロシ,アシシビレ
 ●常緑低木〜小高木
 ●高さ:1〜8m
 ●花期:2月下旬〜5月
 ●果期:9〜10月
 ●分布:本州(山形・宮城県以南),四国,九州
参考文献:「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」(山と渓谷社) P126
H14 岡山県「宇甘渓」 H14.7.31 岡山県吉備中央町
葉は互生(ごせい)で,枝先に集まってつく。普通は,このような倒披針形〜長楕円形。 一見,シャリンバイやトベラを思い浮かべたが,これも歴としたアセビ。このような幅のある葉もある。
H14.7.31 岡山県吉備中央町 H14.7.31 岡山県吉備中央町
ふちの上半分にはごく浅い鋸歯(きょし)があり,やや波うつことが多い。主脈(しゅみゃく)上に短毛がある。 うら面は無毛。特徴のある葉脈模様がある。
2003.1.2 岡山県御津町 H16.1.4 岡山県御津町虎倉
アケボノアセビ(P.japonica f.rosea)
アセビの品種で,花が淡紅色。よく植裁される。
つぼみもかなりふくらんできた。開花も間もない。
2007.2.28 岡山県吉備中央町 H16.3.12 岡山県「21世紀の森」
ツツジ科によくみられる壺形の花をつける。未だに昨年の果実が残っている。いったいいつまで残っているのか…? 花を真下から撮影してみた。幾何学模様を思わせる。2重にならんだ雄しべ10個がなんとなく確認できる。葯(やく)に針状の突起が2個あるのも分かる。
2006.5.5 岡山県吉備中央町 H16.3.28 岡山県「建部の森」
5月になると,アセビの花期は終わりを迎える。手で触れると花冠がぽろぽろと落ちる。
上の矢印は花冠が落ちたばかりのもの。萼片が開いている。下の矢印は萼片が閉じて,大切な子房部分を覆っているのが分かる。
この壺形の花からどんな虫がどんなふうに蜜を吸うのかと思っていたらなんのことはない…長い口吻をもつ蝶にとってこのくらいの花のみつをすうことはたやすいことであった。ちなみにこれは,ミヤマセセリであることが判った。しかし,これでは,花粉は運ばれないだろう…。
2003.7.23 岡山県加茂川町「21世紀の森」 H14.7.31 岡山県吉備中央町
未熟な果実(かじつ)。上向きにつく。先端には,長い花柱(かちゅう)が残る。 果実が熟すのは9〜10月だが,長期間にわたり上のような状態が残る。写真は,昨年のものがまだ残っているようだ。
H16.1.12 岡山県吉備高原 2007.1.3 岡山県吉備高原
熟して裂開した刮ハ(さくか)。中には多数の種子が入っている。上向きなので,中の種子はなかなか落ちず残る。
種子は2〜3o程度で黄褐色。ねじけたような形をしている。
H14 岡山県「宇甘渓」 2003.8.29 岡山県「21世紀の森」
株立ち状になることが多い。樹皮(じゅひ)は,縦に裂け目が入り,ねじれが入る感じは,同じツツジ科のネジキシャシャンボに似ている。
H16.3.8 岡山県吉備高原
葉芽(はめ・ようが)。
見どころ
●全株に神経毒のアセボトキシン(アルカロイドの一種)を含む。馬が食べると酔ったようになることから馬酔木の字が当てられる。かつては,駆虫薬として利用されたこともある。
●シャクガ科のヒョウモンエダシャクの幼虫は,有毒のアセビの葉を食草にして体内に毒を蓄積する。
名の由来
「足痺れ」が転訛したとされる。
岡山県情報
乾燥に強く,吉備高原山中では,アカマツ林の林縁などでよく見かける。
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