ツバキ科ツバキ属ヤブツバキ,学名:Camellia japonica L,かのんの樹木図鑑
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 【ツバキ科 ツバキ属】  Camellia japonica L.
  ヤブツバキ 
【 藪椿 】 別名/ツバキ,ヤマツバキ,カタシ 英名/Camellia 
●常緑高木
●高さ:10〜15m
●花期:2〜4月
●分布:本州,四国,九州,沖縄
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社)P170
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P299
葉身12p,葉柄1.5p,幅5p
葉は互生
(ごせい),葉身は楕円形から卵状楕円形,長さ5〜10p。縁には細かな鋸歯(きょし)が並ぶ。鋸歯の先端が黒色になるのも特徴。両面とも無毛だが,裏面には黒っぽいツブツブが見える。おそらく気孔だと思うが確認できていない。ちなみに,同属のサザンカは主脈上に毛が密生している。
葉脈は裏面に隆起しており,日光にかざすと黄色に透けて見える。葉は裏面にむけて反っていることが多い。
2003.2.15 岡山市「半田山植物園」 2003.2.15 岡山市「半田山植物園」
葉は互生し,革質で厚い。上面には光沢があり,縁には細かな鋸歯(きょし)がある。
両面とも無毛。
2006.9.24 岡山県自然保護センター H16.10.17 岡山県自然保護センター
刮ハ(さくか),直径3〜5pの球形。褐緑色に熟すと3裂して,3〜5個の種子を出す。種子は,木化した中軸に集まって付く。
種子には良質の油が含まれており,椿油
(つばきあぶら)と呼ばれる。整髪料や食用などに用いられる。 
2010.3.13 岡山県久米郡美咲町
H16.3.23 岡山県「宇甘渓」
花は枝先の葉腋に付く。花弁は5個で,直径5〜7p。
鳥媒花,メジロなどの野鳥により花粉が運ばれる。
2003.11.9 岡山県「21世紀の森」 2007.2.22 岡山県「鳴滝森林公園」
中央にある丸いのが,花芽(はなめ・かが),その下にある紡錘形のものが,葉芽(はめ・ようが)
花芽は,必ず枝先の葉腋
(ようえき)につく。
雄しべが下の方で合着(がっちゃく)して筒状になっている。また,基部では花弁とも合着しているため,離弁花であるが花期の終わりには花ごと落下する。
※サザンカは合着がよわいため,花弁と雄しべはばらばらになって落ちる。
H16.1.4 岡山県御津町虎倉 H16.11.9 岡山県「21世紀の森」
樹皮(じゅひ)は褐灰色でなめらか。これは,山の中に自生していたもの。 【ショウワワビスケ】
一名を「ハツカリ」ともいうワビスケの園芸品種。花は淡い桃色でほのかな香りがあるとのこと。
見どころ
サザンカ(Camellia sasanqua)(図2)との区別
  • サザンカよりも葉が大きい。
  • サザンカは葉の表裏の主脈上にごく小さな毛があるが,ヤブツバキにはない。
  • ツバキに比べサザンカの花は平らに開く。
  • ツバキの雄しべは強く合着しており筒状になるが,サザンカは合着が弱く筒状にならない。
  • →くらべてみよう「サザンカとヤブツバキの花」
図1 ヤブツバキ 図2 サザンカ
名の由来
葉が厚いことから「厚葉木(あつばき)」,葉に艶があることから「艶葉木(つやばき)」に由来する説や,花が刀の鍔(つば)に似ていることに由来する説,朝鮮語の「Ton-baiou」に由来する説などがある。
岡山県情報
日本の野生のツバキには,「ヤブツバキ」と「ユキツバキ」がある。園芸品種が非常に多い。
岡山県内には,ヤブツバキが全域で自生する。場所によっては,ヤブツバキがかなり優勢な林も見かける。
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