ツバキ科ナツツバキ属ナツツバキ（シャラノキ），学名：Stewartia pseudocamellia

ツバキ科ナツツバキ属ナツツバキ，学名：Stewartia pseudocamellia，かのんの樹木図鑑
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【ツバキ科　ナツツバキ属】	Stewartia pseudocamellia

【　夏椿　】別名／シャラノキ（沙羅の木），シャラ（沙羅），サラ（沙羅）　　　　サルスベリ，サルタ［岡山県］英名／Japanese Stewartia
●落葉高木　●高さ：15ｍ　●花期：６～７月　●果期：９～10月　●分布：本州（福島・新潟県以西），四国，九州
参考文献 (1) 「山渓ハンディ図鑑４　樹に咲く花　離弁花②」（山と渓谷社）P185 (2) 松井宏光，「葉で引く四国の樹木観察図鑑」（高知新聞社）P296 (3) 千葉喬三監修，山陽新聞社，岡山の樹木＜上＞，1989年，P167


葉は互生（ごせい）。葉身は楕円形から長楕円形，長さは４～10cm。基部はくさび形で先端はとがる。縁には鋸歯が並ぶ。上面は無毛で，下面全体に絹毛が散生し，特に脈上には多い。脈は下面に隆起し，上面では窪む。

2003.6.22　岡山県「円城道の駅」	2003.6.22　岡山県「円城道の駅」

2006.7.1　岡山県「２１世紀の森」	2006.7.1　岡山県「２１世紀の森」
つぼみ。本年枝の葉腋（ようえき）につく。	花弁は５個あり下部で合着する。花弁のふちは波打ち，細かな鋸歯（きょし）がある。

2006.7.1　岡山県「２１世紀の森」	2003.7.23　岡山県「２１世紀の森」
雄しべが多数，柱頭は５裂。	花弁や雄しべはまとめて落ち，果実の成熟が進む。

2010.1.24　岡山県吉備中央町	2003.8.29　岡山県「２１世紀の森」
古い樹皮（じゅひ）は鱗片状にはげ落ちて，淡い赤褐色のまだら模様が現れる。	すらりとした涼しげな樹形は，庭木としても人気がある。

2003.8.29　岡山県「２１世紀の森」	2003.11.22　岡山県「２１世紀の森」
アカスジキンカメムシの幼虫。	蒴果（さくか）。５つに裂開する。

2003.11.22　岡山県「２１世紀の森」	2010.1.24　岡山県吉備中央町
中にはこのような種子が入っている。きちんと調べていないが，ひとつの果実からこれだけ出てきた。	冬芽（ふゆめ）。同属のヒメシャラと形状が異なるので同定のポイントになる。

H16.11.9　岡山県「２１世紀の森」	H16.11.9　岡山県「２１世紀の森」
秋には黄葉が美しい。葉の裏の絹毛がよく見える。	蒴果（さくか）が落ちた後には，柿のへたのようなものが残る。


●ヒメシャラ（図１）とよく似ているが，冬芽の形で区別できる。図２がナツツバキ
図１	図２

材は堅く，建築材，器具材，彫刻材などに使用されるほか，樹皮を生かして床柱に利用されることもある。樹皮や花の美しさ，爽やかな樹形から，庭木や公園樹として用いられる。

●夏に咲くツバキの意。 ●別名の「シャラノキ」は，釈迦（しゃか）の入滅時にそばに生えていた聖木「沙羅双樹（さらそうじゅ）（インド産）と誤認したことによる。寺院に多く植えられるのも，そのためである。ちなみに，サラソウジュは，フタバガキ科で，日本には自生していない。（フタバガキ科は熱帯に自生する常緑高木）

岡山県では，北部に多く，中部では限られた地域に自生する。
（注）作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので，まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです