ツバキ科ナツツバキ属ヒメシャラ，学名：Stewartia monadelpha

ツバキ科ナツツバキ属ヒメシャラ，学名：Stewartia monadelpha，かのんの樹木図鑑
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【ツバキ科　ナツツバキ属】	Stewartia monadelpha

【　姫沙羅　】　　　別名／サルタノキ，サルスベリ，ヤマチシャ
●落葉高木　●高さ：15ｍ　●花期：５月　●果期：９～10月　●分布：本州（神奈川県箱根～近畿地方），四国，九州（屋久島まで）　　　　　　※日本固有種
参考文献 (1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑４〉，2001年，P182 (2) 松井宏光，葉で引く四国の樹木観察図鑑，高知新聞社，2002年，P297



2011.6.30　岡山県加賀郡吉備中央町（植栽）
葉は互生（ごせい）。葉身は長さ４～８㎝の楕円形または，長楕円形。縁には浅い鋸歯（きょし）がある。葉の縁や下面の脈上には淡褐色の綿毛がある。下面の脈腋（みゃくえき）には毛叢がある。


2011.6.30　岡山県加賀郡吉備中央町（植栽）
本年枝基部の葉腋（ようえき）に直径1.5～２㎝の両性花（りょうせいか）をつける。花弁は５個であるが基部で合着するため，形を保ったまま散る。雄しべは多数あり，やはり基部で花弁に合着する。花柱の先端は５裂する。子房には毛が密生している。

2007.3.18　岡山県「２１世紀の森」	2007.3.18　岡山県「２１世紀の森」
花期は９～10月だが３月でもいくらか種子は残っていた。蒴果（さくか）は５裂し，種子にはごくわずかだが翼（よく）があるようだ。蒴果の形はナツツバキとほとんど変わりないが，大きさはやや小さい。

2003.8.29　岡山県「２１世紀の森」	2007.2.25　岡山市半田山植物園
樹皮は淡赤褐色で鱗片状に剥がれ，まだら模様になる。近縁のナツツバキと比べると樹皮がやや細かく剥がれ，赤味が強い場合が多いようだが，紛らわしい場合もある。

2003.11.22　岡山県「２１世紀の森」	2011.12.4 岡山県高梁市（植栽）
冬芽。芽鱗は４～６個。重ね着をしたように左右が互い違いになっている。


図１	図２
左下がヒメシャラで，右がナツツバキ。よく似た５弁花だが，大きさはこんなに違う。（図１）	葉の大きさも質感も両者はかなり異なる。ヒメシャラの方が光沢があり，ナツツバキはしわっぽく見える。（図２）
図３	冬でも冬芽を見ればナツツバキとヒメシャラを見分けられる。図３はナツツバキの冬芽。

材は腐りにくく粘りがある。樹皮を残したまま床柱として用いられたり，器具材や彫刻材として用いられる。また，花が美しく，樹形が端正であることからシンボルツリーとして庭木に用いられたり，公園樹とされたりするなど人気がある。

「シャラノキ」（沙羅の木）の別名のあるナツツバキに似ていて，花も葉も小さいことから「姫沙羅」の名が付いた。（２）

岡山県内には分布しない。庭木や公園樹として植栽される。
（注）作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので，まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです