トウダイグサ科シラキ属ナンキンハゼ，学名：Sapium sebiferum

トウダイグサ科シラキ属ナンキンハゼ，学名：Sapium sebiferum，かのんの樹木図鑑
　　←検索サイトから来られた方は，ホームへおいで下さい！かのんの樹木図鑑，ナンキンハゼ，学名：Sapium sebiferum

【トウダイグサ科　シラキ属】	Sapium sebiferum Roxb.

【　南京櫨・南京黄櫨　】　　　別名　／トウハゼ，カンテラギ
●落葉高木（原産地では常緑）　●高さ：15ｍ　●花期：７月　●果期：10～11月　●分布：中国原産（本州，四国，九州で植裁）
参考文献 (1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑４〉，2001年，　P196 (2) 松井宏光，葉で引く四国の樹木観察図鑑，高知新聞社，2002年




2004.6.29　岡山県吉備中央町	2004.6.29　岡山県吉備中央町
葉は互生（ごせい）。葉身は広卵形で，長さ４～９cm。基部は円形，先端は突出する。葉柄が長い。質は薄い。	葉身の基部には，腺体（せんたい）がある。

2004.6.29　岡山県吉備中央町	2004.12.29　岡山県吉備中央町
うら面は淡い緑色で無毛。	樹皮（じゅひ）は不規則に縦にさける。

2015.7.29　岡山県加賀郡吉備中央町

2005.7.18　岡山県加賀郡吉備中央町
枝先に総状花序（そうじょうかじょ）を出す。先の大部分に雄花を付け，基部に６個ぐらいの雌花を付けるが，雌花のまったくない花序もあるようだ。また，私の観察では，雌性先熟で，雌しべが成熟した花序では，雄しべは未成熟で花粉は出していないようだ。


2005.11.6　岡山県加賀郡吉備中央町	2004.12.29　岡山県加賀郡吉備中央町
未熟な果実。３稜がある。蒴果（さくか）。褐色に熟すと３つに裂開し，中から３個の白いロウ質の仮種皮（かしゅひ）に包まれた種子を出す。っ白なロウ質の仮種皮は，よく目立ち，栄養価が高く，野鳥は好んでこれを食べる。その後，種子は糞とともに排出され，種子が散布されることになる。また，種子には毒性分が含まれており，害虫を寄せ付けないそうだ。

2004.11.14　岡山市　－庭木－	2004.12.29　岡山県加賀郡吉備中央町
種皮はぱらぱらと自然に落ちるが，種子は落葉後も枝に長く残り，野鳥が好んで食べる。この時は，キジバトやスズメが群がって食べていた。種子は有毒だが，野鳥は仮種皮のみを消化し，種子を排出する。仮種皮はロウ質で，脂肪分が豊富で栄養価が高い。	落ちた種皮が地面を覆い，歩くとパリパリ音がした。

2012.12.29 岡山県加賀郡吉備中央町
ハシボソガラス，ヤマガラが食べていた。

2004.12.29　岡山県加賀郡吉備中央町	岡山県加賀郡吉備中央町
小さな小さな冬芽。	冬芽と葉痕

2005.4.25　岡山県加賀郡吉備中央町
４月も下旬，やっと芽吹いてきた。新葉は赤味を帯びている。


日本に自生する近縁種はシラキ（Sapium japonicum）

ナンキンハゼは，文字通り中国原産である。果皮からとれる油脂を「烏臼油（うきゅうゆ）」と言い，中国ではロウソク，灯用，塗料，石けんなどに利用されたという。日本では，ロウの採取に主にウルシ科のハゼノキ（Rhus succedanea）を用いたことから，「ハゼ」の名がついたようだ。種子には有毒成分が含まれる２）。

ナンキンは，中国を指す。すなわち，中国産のハゼの意味。これは，外観によるものではなく，上述したように，ハゼと同じロウの原料になることにによる。

中国原産。街路樹に多用され，野生化したものも見かける。
（注）作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので，まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです