スイカズラ科ガマズミ属オオカメノキ(ムシカリ),学名:Viburnum furcatum,かのんの樹木図鑑
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 スイカズラ科 ガマズミ属】  Viburnum furcatum
ムシカリ(オオカメノキ) 
【 −− 】   別名 / オオカメノキ
●落葉小高木
●高さ:6m
●花期:4〜6月
●果期:8〜10月
●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献
1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑5〉,2001年,P473
2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P170
3) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年

2006.5.3 岡山県立森林公園
2006.4.28 岡山県立森林公園
枝先に,散房花序(さんぼうかじょ)を出し,白い花を多数つける。周辺部には装飾花(そうしょくか)が咲き,中央には多数の両性花(りょうせいか)が咲く。装飾花の方が一足先に開花する。開店前から看板だけは掲げるようなもの。
2006.5.3 岡山県立森林公園 2006.5.3 岡山県立森林公園
装飾花。雄しべも雌しべも退化しており,痕跡のみがある。 両性花。花弁や雄しべは5個ある。花弁は肉厚。
H15.11.22 岡山県加茂川町「21世紀の森」 2011.10.10 岡山県立森林公園
まん中にある丸いのが花芽(はなめ・かが)。花芽をはさむように両側から葉芽(はめ・ようが)が伸びる。秋までは披針形の芽鱗に包まれているが,冬には脱落し,長さ1〜2pの裸芽(らが)になる。裸芽は赤褐色の星状毛(せいじょうもう)に覆われている。
2011.10.10 岡山県立森林公園
葉は対生(たいせい)。葉身は円形〜広卵形で,長さ6〜20p。基部は心形,先端はとがる。縁には細かな鋸歯(きょし)が並ぶ。表面は無毛,裏面は脈上に星状毛(せいじょうもう)が多い。
2008.4.29 岡山県立森林公園 2006.11.3 岡山県立森林公園
新葉の展開の様子。内側にまるまった葉が徐々に開いていく。 秋には黄葉する。
2009.9.27 岡山県「若杉原生林」
果実は核果で,中には黄褐色の核(かく)がある。初めは赤く色づくが,次第に黒色に熟す。対して果軸は赤く色づき,赤と黒の2色効果により野鳥にアピールする。果実酒に利用可能。
H15.11.22 岡山県加茂川町「21世紀の森」
本種とヤブデマリは,生育環境や開花時期が似ており時に紛らわしいことがある。
種名 葉の基部 花序 装飾花
ヤブデマリ 水平に伸ばす 広いくさび形〜円形 柄がある 5裂する
オオカメノキ 斜上する 心形 柄がない 5裂し,1片は小さい
名の由来
「オオカメノキ」は漢字では「大亀の木」と書き,葉の形を亀の甲羅に見立てたとされる。
別名の「ムシカリ」については,「虫狩」「虫喰」などと書かれ,「虫喰われ」から転訛したとする説が有力なようだ。

ところで,右の写真は,モズのはやにえの餌食になったカマドウマの仲間。これと同じような光景をみた昔の人が,虫を狩っていると考えたとするのは飛躍がすぎるだろうか…。
岡山県情報
岡山県内では,吉備高原以北に分布し,北部ではふつう,中部では少ない。吉備高原都市周辺で目にすることはない。

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