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2005.522 岡山県倉敷市 |
センダンは,暖地の海辺近くの日当たりの良い山地などに自生し,日本では四国,九州,沖縄に自生する。本州にあるものは植栽とする説が一般的なようだが,伊豆半島以西のものも自生とする説もある。
岡山県でも,倉敷の美観地区に植えられている。また,山間部の河川沿いにもしばしば大木を見かける。野生化したものも多いようだ。 |
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H16.11.10 岡山県「阿部池」 |
H16.11.10 岡山県「阿部池」 |
葉は2〜3回の奇数羽状複葉(うじょうふくよう)。小葉(しょうよう)の基部は左右不相称。ふちには,不ぞろいでにぶい鋸歯(きょし)がある。 |
うら面には,はじめ主脈(しゅみゃく)などに星状毛(せいじょうもう)があるが,後に無毛になる。写真は無毛のようだ。 |
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H15.6.1 岡山県御津郡御津町紙工 |
H15.6.1 岡山県御津郡御津町紙工 |
本年枝の基部の葉腋(ようえき)から,集散花序をだし,淡い紫色の花を多数つける。 |
花弁は5枚。雄しべは10個あり,紫色の花糸(かし)が合着(がっちゃく)して,筒状の形をつくる。花の中央にみえるのがそれ。 |
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H14.12.22 福岡県福岡市内(街路樹) |
H16.11.10 岡山県「阿部池」 |
生長した樹皮(じゅひ)は赤褐色で赤くわれる。まだ小さいときは縦のわれが目立たず,平坦で皮目が目立つ。 |
高さ50pほどの幼木。成長した個体に比べ,葉の切れ込みが深い。 |
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H1575.20 岡山県自然保護センター |
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 |
センダンのまだ青い果実。 |
果実(かじつ)は,核果(かくか)と呼ばれるもの。外果皮・中果皮で果肉を形成し,木質化した内果皮が種子を包む。
落葉後も長く枝に残る。 |
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H15.1.18 岡山市半田山植物園 |
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 |
木の下にはおびただしい数の果実(かじつ)が落ちていた。 |
核(かく)。縦に5本の溝が刻まれている。この中に種子がある。 |
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2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 |
葉痕(ようこん)は,何かの動物に見え可愛らしい。維管束痕は,大きく3個はっきりと見える。
冬芽はやや扁平な球形で,星状(せいじょう)毛を密生した芽鱗で包まれている。 |
●備 考●
- チマキの葉の元祖!?
- 果実や樹皮,葉に,苦味成分をふくんでおり,駆虫剤にも用いられる。また,中国の故事によると,粽(ちまき)は,オウチ(センダンの古名)の葉でくるまれたのが始まりという。これも,オウチの苦味成分を利用したものだと考えられている。チマキは後に茅(ちがや)の葉を利用するようになり,「チマキ」の名が用いられるようになったとのこと。
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- 「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」
- …といわれる栴檀(せんだん)は,本種(センダン)ではなく,ビャクダン科ビャクダンのこと。ビャクダンは,東インド,マレー,インド南部などに自生している半寄生の常緑小高木で,香が強く「香木」として古くから利用されてきた。
(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです
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