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 【ニレ科 ニレ属】  Ulmus parvifolia
  アキニレ 
【 秋楡 】   別名 / イシゲヤキ, カワラゲヤキ
 ●落葉高木
 ●高さ:15m
 ●花期:9月
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(中部地方以西),四国,九州,沖縄
 ●生育地:山野の荒れ地,河岸や河原
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年, P294
(2) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年

H15.8.13 岡山県吉備高原 H15.8.13 岡山県吉備高原
葉は互生(ごせい)。縁には鈍鋸歯(どんきょし)がある。質は堅く,表面にはやや光沢がある。
両面とも,葉脈(ようみゃく)にそって短毛がある。
葉の基部は左右不相称。枝先に近い方が広くなる。
頂芽(ちょうが)が発達せず,仮軸分枝(かじくぶんし)をくり返して成長するため,枝がジグザグに見える。
うら面に葉脈(ようみゃく)が盛り上がる。葉腋(ようえき)には毛が密生する。
H15.7.20 岡山県自然保護センター H16.12.25 岡山県「半田山植物園」
葉は,後から出たものほど大きくなる。(この写真からよく分かる。) 20pほどの幼木の葉。成木に比べて大きく,鋸歯が大ぶり。
H14.12 岡山県自然保護センター 2006.12.25 岡山市「生涯学習センター」
樹皮(じゅひ)は不揃いな鱗片状にはがれ… 見事なまだらもようができる。
H14.12 岡山県自然保護センター H14.12 岡山県自然保護センター
翼果(よくか)。種子の周辺を薄い翼(よく)が取り巻く。長く枝に残り,風散布する。
H15.10.3 岡山市「生涯学習センター」 H15.10.3 岡山市「生涯学習センター」
アキニレの花をはじめて見た。本年枝(ほんねんし)の葉腋(ようえき)に両生花(りょうせいか)を数個ずつつけていた。雄しべが4個あり,その中心に,2裂した花柱がみえる。
写真は,やや子房がふくらんで果実に成長し始めている。
すぐ近くの木には,すでに若い果実(かじつ)に成長したものが見られた。まだ,果実の先端に2裂した花柱の跡が見える。熟すと褐色になり翼(よく)は透けるように薄くなる。
H16.11.21 岡山県自然保護センター
2013.7.7 岡山県自然保護センター
ニレハムシの幼虫。ケヤキやニレの葉を専門に食害する。

●見分けるポイント●

  1. 大きな木になるほど,葉が小さい。
     
  2. ニレ属(アキニレ,ハルニレ,ケヤキ,ムクノキ,エノキ)の葉の基部は,左右不相称である。
●豆知識●
  1. 同属に「ハルニレ」がある。日本ではふつう「ニレ」といえば,「ハルニレ」をさすことが多い。「エルム」の名でも親しまれている。
    アキニレが,秋(10〜11月)に果実が熟すのに対して,ハルニレは,春(5〜6月)に熟す。いずれも同じような翼果(よくか)をつける。
     
  2. アキニレの葉は,あとから出たものほど,大きくなる。
    4月に出た葉は小さく,気温が上がるにつれて,大きくなっていく。枝の先端と基部を比べてみると明かなちがいがあるのが分かる。
● メ モ ●
  1. 岡山県内では,南部を中心に全域で自生する。私の観察では,吉備高原都市周辺では,全く見かけないが,やや北に位置する有漢地域には,自生が多い。
    同じニレ属では,オヒョウ,ハルニレが北部を中心に自生している。(参考:岡山県野生生物目録2003年度版)

メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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