モチノキ科モチノキ属タラヨウ,学名:Ilex latifolia,かのんの樹木図鑑
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 モチノキ科 モチノキ属】  Ilex latifolia
  タラヨウ
【 多羅葉 】
別名/モンツキシバ,ハガキノキ     英名/Tarajo Holly
 ●常緑高木(じょうりょくこうぼく)
 ●高さ:10〜20m
 ●花期:5〜6月(雌雄別株
(しゆうべっしゅ)
 ●果期:11月
 ●分布:本州
(静岡県以西),四国,九州
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社)P486
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P401
葉身17.5p,葉柄2p,幅5.5p (05/01/08  21世紀の森)
2010.2.25 岡山市北区建部町品田
2010.2.20 岡山県久米郡美咲町西川上
葉は互生(ごせい)。葉身は楕円形で,長さ10〜17p。厚みがあり,ぱりっとした感じ。縁には固い鋸歯が並ぶ。裏面は側脈(そくみゃく)がほとんど目立たない。葉柄は赤みを帯びることがある。
2010.2.20 岡山県久米郡美咲町西川上 H15.6.29 岡山県「自然保護センター」
葉の裏に,圧力をかけると黒く変色するので,絵や文字がかける。
2008.5.4 岡山県「半田山植物園」 2006.5.20 岡山県「半田山植物園」
タラヨウは雌雄異株(しゆういしゅ)。すなわち,雄花をつける株と雌花をつける株が別にある。
上の写真は,雄花序
(ゆうかじょ)。葉腋(ようえき)に小さな花が密集してつく。花弁が4個,雄しべが4個見える。
雌花序(しかじょ)。雄花序に比べると3〜5個と,花数が少ない。
雄しべ4個は退化しており機能していない。中央には立派な雌しべがある。花弁は4〜5個あるが,黄緑色で目立たない。
H15.8.18 岡山市「半田山植物園」 H15.12.7 岡山市「半田山植物園」
若い果実(かじつ)。
果柄(かへい)は短く,葉腋(ようえき)にたくさん集まってつく。
赤色に熟す。直径は約8oの球形。核果(かくか)で,中には4個の核がある。(核とは内果皮が木質化し種子を包み込んでいるものを指す。)
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 H16.3.6 岡山市「半田山植物園」
果実と核。核は淡褐色で,表面にはしわが多い。 3月。赤い実はもうない。果柄(かへい)のみが残っていた。
2010.2.25 岡山市北区建部町品田 2010.2.25 岡山市北区建部町品田
頂芽(ちょうが)は円錐形。長さ,3〜5o。 葉腋に付いた花芽。少しふくらみかけている。
2010.2.20 岡山県久米郡美咲町西川上 2010.2.25 岡山市北区建部町品田
樹皮(じゅひ)は,灰褐色で,皮目(ひもく)が多い。良質のトリモチがとれる。
見どころ
樹皮からは鳥黐(とりもち)が採れる。
名の由来
●葉裏に圧力をかけると黒変して文字が書けることから,かつて,インドの僧がヤシ科の「多羅樹(たらじゅ)」の葉を,鉄筆で写経するのに用いたことになぞらえて「多羅葉(たらよう)」の名が付いたと言われる。多羅樹は,アフリカ原産の常緑高木。
●別名の「ハガキノキ」も,やはり葉裏に文字が書けることによる。ハガキ(=葉書)の語源になったとも言われるが,新明解国語辞典(三省堂)によると,本来はハガキは端書であり,葉書は借字ということである。しかし,前者の説にあやかり,郵便局に植裁されることもある。タラヨウの葉に書いた手紙でも郵送できる。
●別名の「モンツキシバ(紋付き柴)」は,葉を火であぶると,死環(黒い紋のような模様)が出ることに由来。
岡山県情報
暖地の谷間などやや日陰地に自生。中国大陸にも分布する。岡山県内では,中部から南部にかけて分布。
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