モチノキ科モチノキ属ナナミノキ(ナナメノキ),学名:Ilex chinensis,かのんの樹木図鑑
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 【モチノキ科 モチノキ属】  Ilex chinensis
 ナナミノキ
  
【 七実の木 】  別名/ナナメノキ(斜めの木),カシノハモチ
 ●常緑高木
 ●高さ:10m
 ●花期:6月 雌雄別株
(しゆうべっしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(静岡県以西),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉,2001年,P476
(2) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年
(3) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P400

2012.1.5 岡山県高梁市巨瀬町「八幡神社」
H15.6.7 岡山市「池田動物園」
葉は互生(ごせい)。葉身は長さ6〜11pで,長楕円形。先端はやや尾状にとがる。縁には浅い鋸歯(きょし)が全体にある。モチノキの葉のような厚みはないが,しなやか。両面とも無毛。
H16.6.6 岡山県「自然保護センター」
H15.6.7 岡山市「池田動物園」 H15.6.7 岡山市「池田動物園」
雄花序。本年枝(ほんねんし)の葉腋(ようえき)に,散形花序(さんけいかじょ)を出す。 雌花序。雄花序に比べ数が少ない。
2011.12.30 岡山市御津虎倉(妙見山)
H15.7.20 岡山県「自然保護センター」 H15.11.30 岡山市「池田動物園」
H15.12.30 岡山市「こどもの森」
果実は長さ約1pで,やや縦に長い。核果(かくか)。冬に赤く熟し,中には4〜5個の核(かく)が入っている。核の中には種子が1個ずつある。
2012.1.5 岡山県高梁市巨瀬町「八幡神社」 H15.12.30 岡山市「こどもの森」
冬芽は円錐形。芽鱗(がりん)は2〜3個あり,肉質で赤味を帯びる。
H16.11.20 岡山市「池田動物園」 H15.6.7 岡山市「池田動物園」
池田動物園にあるナナミノキの大木。図鑑に書かれている樹高10mは遥かに越えているだろう。幹は直立し,よく分岐して繁る。 樹皮(じゅひ)は灰褐色でなめらか。
2012.1.5 岡山県高梁市巨瀬町「八幡神社」
岡山県内ではどちらかというと南部に多いナナミノキだが,高梁市巨瀬町ではよく目にする。なぜか枝垂れたような樹形が多い。
果実や花があれば分かりやすいが,葉だけだと判断に迷う木である。葉は一見,アラカシやシラカシに似ているが,手で触れてみると,カシのようにぱりっとしておらず,しなやかなのが分かる。
私はさらに,円錐形の冬芽や平坦な樹皮を手がかりに総合的に判断することが多い。
材は器具材やろくろ細工に用いられるという。また,樹皮からは鳥黐(とりもち)がとれるが,今日この鳥黐の使用は禁止されている。
名の由来
ナナミノキの由来にはいろいろな説がある。一説には,果実の形が長楕円形であり,他のモチノキ科の果実と比べ「長い」ことから,「長実の木」と言われ,それが転訛したとされる。

別名を「ナナメノキ」ともいうが,これは「ナナミ」が「ナナメ」に誤って変化したものだろう。実際にナナミノキの幹はふつうまっすぐ伸びる。しかし,その別名ゆえに「家がかたむく」と考えて庭木にするのを嫌う人もある。
岡山県情報
岡山県では,吉備高原地域を中心に全域に自生する。南部には大木も多いようだが,優占種になることはあまりないようだ。
耐陰性があり,常緑樹林内に分布するが,やや湿り気のある林縁や,山地の北側の斜面,河川近くの崖などでも見かける。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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