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 【モクセイ科 イボタノキ属】  Ligustrum obtusifolium 
  イボタノキ  
【 水蝋の木 】   別名 / −−
 ●落葉低木(らくようていぼく)
 ●木の高さ :2〜4m
 ●花のさく時期 :5〜6月
 ●果実のなる時期 :10〜12月
 ●分布する地域 :北海道,本州,四国,九州
参考文献「山渓ハンディ図鑑5樹に咲く花」(山と渓谷社) P278

2007.6.3 岡山県「自然保護センター」
2009.6.18 岡山県加賀郡吉備中央町
新枝の先に総状花序(そうじょうかじょ)を出し,白い花をつける。花冠は4裂する。雄しべは2個あり,花冠から少し突き出る。“ミヤマイボタ,オオバイボタは,雄しべが花冠から突き出る”とあるが,吉備中央町の個体では,かなり突き出ているようにも見える。また,異様に花付きが良いなどイボタノキらしくない特徴が際だっており,通常のイボタノキと比べると違和感を覚える個体だった。

→山本和子さんより「コミノネズミモチ(Ligustrum sinenseではないか」とのご指摘をいただきました。中国原産で、生垣などに使われ、逸出し野生化しているとのことです。雄しべは花冠から大きく突き出て、葯の色ははじめ小豆色です。花粉が落ちると黄色〜クリーム色にるという情報も合致している部分が多いように思います。
暖地では冬にも葉が残ることがあるそうです。
H15.6.28 岡山県加茂川町 H15.10.5 岡山県御津町
葉は対生(たいせい)し,長だ円形で全縁(ぜんえん)。先はとがらず,丸みをおびる。 イボタノキにしてはやや葉が細長すぎるような気がしているが…。
H16.11.14 岡山県「自然保護センター」 H16.11.14 岡山県「自然保護センター」
主脈(しゅみゃく)は,凹状になっている。葉脈はあまり目立たない。ミヤマイボタとよく似ているが,ミヤマイボタは葉先が尖っているのに対して,イボタノキはまるくなっている。 若い枝には毛が密生している。主脈(しゅみゃく)はうら面に隆起しているが,側脈(そくみゃく)はあまり目立たない。主脈上には毛があるものから,ないものまであるということ。写真には毛がある。
H16.10.10 岡山県「自然保護センター」 2005.11.23 岡山県吉備高原
最終的には紫黒色に熟すが,まだ緑色。ぽつぽつとまばらに果実を付けている姿をよく見かけるが,鈴なりのものは見たことがない。
やや楕円形をしている。
あまりたわわに実をつけた様子を見かけないので,「本当にイボタノキ?と」も思ったが,葉先の丸い様子から考えるとやはりイボタノキのようだ。
2006.5.28 岡山県「自然保護センター」
イボタノキによくつく,イボタガの幼虫。終齢幼虫になると緑色っぽくなり,ツノ状の突起は消失する。

●見分けるポイント●
 岡山県内には,本種(イボタノキ)が,中部を中心に全域に分布し,ミヤマイボタが,県北で普通に見られる。県西部では,サイゴクイボタ(危急種),石灰岩地に自生するヤナギイボタ(準危急種)が分布する。
  1. ミヤマイボタ
    ・葉の先は尖る。雄しべは花冠から突き出る。イボタノキよりも標高の高いところに自生する。
     
  2. イボタノキ
    ・葉の先端が丸い。雄しべは花冠から少し出る程度。岡山県では全域に自生し,吉備高原都市周辺でも時折目にする。標高が上がるにつれ,ミヤマイボタが増えてくる。
     
  3. オオバイボタ
    ・葉には光沢があり葉脈が目立つ。花序は大きく,雄しべは花冠から突き出る。本来は,暖地の海岸付近に自生するが,緑化樹として利用される。岡山県内に自生はない。
●豆知識●
  1. 名前は樹皮(じゅひ)につくイボタロウムシがだすイボタロウとよばれる白いえきが,イボをとるのによいと言われたことによる。
     
  2. 「実生」や「さし木」でかんたんに増やせることから,ライラックの「つぎ木」の台木に用いられることもある。

メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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