モクレン科モクレン属ホオノキ,学名:Magnolia hypoleuca,かのんの樹木図鑑
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 モクレン科 モクレン属】  Magnolia hypoleuca
  ホオノキ
【 朴の木 】 別名/ホオ,オオガシワ,ホオガシワ
英名/Japanese Big-leaf Magnolia, Japanese Umbrella Tree
 ●落葉高木
 ●高さ:20〜30m
 ●花期:5〜6月,両性花
(りょうせいか),花は葉の展開後に開く。
 ●果期:10月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献
(1) 「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社)p380
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P389
(3) 千葉喬三監修,山陽新聞社,岡山の樹木,1989年,P195
(4) 森の花を楽しむ101のヒント 峠田宏監修,日本森林技術協会編(東京書籍)P.90
2003.6.2 岡山県加茂川町
葉は互生(ごせい),枝先に集まってつく。葉身は,倒卵状楕円形で長さは40cmにも達する。基部はくさび形で,先端は鈍くとがる。葉縁は全縁(ぜんえん)で波打つ。側脈(そくみゃく)は直線的。葉のうら面には短毛が散生し白っぽく見える。
2011.5.21 岡山県加賀郡吉備中央町
2006.5.22 岡山県「大平山」 2005.5.9 岡山県「大平山」
枝先に白い大輪の花をつける。とにかく高いところにしか花がつかないので,観察や撮影が難しい。5月の大平山(岡山県吉備中央町〜高梁市)で最も目立つのは,ヤマフジの薄紫色の花序だが,ホオノキの大きな花は負けず劣らず存在感たっぷりである。

ホオノキの花は雌性先熟
(しせいせんじゅく),つまり,雌しべが先に成熟した後,雄しべが成熟することで,自家受粉をできるだけ避けている。左の写真は,雄しべが開いていないので,おそらく雌性期だと思われる。甘い香りを放つ。
2010.10.6 岡山県加賀郡吉備中央町
果実は,袋果(たいか)が集まった集合果(しゅうごうか)。9〜11月に赤褐色に熟す。
2005.3.6 岡山県「宇甘渓」 2003.11.4 岡山県吉備中央町豊岡上
種子を落とした後のもの。樹下でよく見かける。
同じモクレン科のコブシの種子をカラスが食べている様子をよく見かける。ホオノキの種子もカラスにより散布されているのではないか。
冬芽は無毛。大きくて細長い頂芽(ちょうが)は,2枚の托葉(たくよう)が癒着してキャップ状になっている。
2003.6.2 岡山県加茂川町 2003.2.15 岡山市半田山植物園
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
樹皮(じゅひ)は灰褐色で平坦,小さな皮目が多い。幹はまっすぐ伸び,分枝が少ない。
枝には,枝を一周する托葉痕
(たくようこん)がある。
2007..5.27 岡山県加賀郡吉備中央町四平山
幼木でも葉はこんなに大きい。
2003.11.22 岡山県吉備高原 2003.11.22 岡山県吉備高原
葉痕(ようこん)。円形からハート形。中にゴマを散らしたように維管束痕(いかんそくかん)が多数見える。
20〜40pにもなる大きな単葉は,日本産広葉樹の中で最大。葉の落ちた冬季でも白く平坦な樹皮と樹下の落葉は大きな手がかりとなる。
岐阜県高山の名物朴葉味噌(ほおばみそ)は,ホオノキの葉に味噌をのせ炭火で炙り,葉の香りを楽しみながら食べる。(2)
材は軽く,柔らかで均質,狂いが少なく,漆器木地や製図版,版木,刀の鞘,下駄,家具,細工物など幅広く利用される。(2)
ホオノキの樹皮は厚朴
(こうぼく)という生薬として,健胃・整腸に用いられる。(2)
名の由来
葉で食物を包んでいたことから,包の木とする説がある。(2)
「万葉集」には,ホホガシワと記されている。カシワは食物も盛ったり,包んだりしたことを意味する「カシキハ(炊葉)が転訛したものとされる。
岡山県情報
岡山県内では,中部から北部にかけての山中に広く分布する。(3)
雑木林で普通に見かけ,大木となることから存在感もたっぷりだが,あちこちに点在しており,純林を形成することはないようだ。
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