ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ,学名:Benthamidia japonica,かのんの樹木図鑑
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 ミズキ科 ミズキ属】  Benthamidia japonica H.Hara
 ヤマボウシ
【 山法師 】   別名 /ヤマグワ
 ●落葉高木(らくようこうぼく)
 ●高さ:5〜15m
 ●花期:6〜7月
 ●果期:9〜10月
 ●分布:本州,四国,九州
参考文献:「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花」(山と渓谷社)P646

2009.5.31 岡山県鏡野町
H15.5.18 岡山県自然保護センター 2005.6.3 岡山県吉備中央町「大平山」
花弁状に見えるのは,総包片(そうほうへん)といわれる特殊な葉。中心にあるのが本当の花で,黄緑色であまり目立たない。花弁と雄しべはそれぞれ4個,花柱は1個ある。
※包(ほう)とは,花を保護する変態葉。その中でも花序の基部に密生してつくものを総包(そうほう)といい,その一つ一つをさして,総包片(そうほうへん)という。
H16.6.2 岡山県吉備高原
甲虫が花粉を食べに来ていた。
2005.6.3 岡山県「大平山」
葉は対生(たいせい)。全縁(ぜんえん)でわずかに波打つ。弧を描くような葉脈はミズキ科に特徴的。裏面の脈腋(みゃくえき)のところどころに毛叢がある。
H15.8.29 岡山県 吉備高原 −街路樹− H15.8.25 岡山県 吉備高原 −街路樹−
吉備高原では,8月中旬ぐらいから果実が熟し始めた。核果(かくか)があつまった集合果(しゅうごうか)。果実は,赤く熟すと生食できる。中は黄色いクリーム状で,パパイアを思わせる。外の皮がやや厚く,花柱が残るため口当たりはあまりよくない。季節を楽しむ程度に食べるのがお勧め。また,レモン汁を加えて果実酒にしたり,ジャムに仕立てることもできる。
H16.1.1 岡山県吉備高原−街路樹− H16.12.11 岡山県吉備高原−街路樹−
【葉芽(はめ・ようが)】 【花芽(はなめ・かが)】
2011.5.3 岡山県吉備中央町 H15.8.13 岡山県 吉備高原(街路樹)
新葉の展開。 樹皮は,老木では不規則にはがれ,まだら模様になる。
H16.12.11 岡山県吉備高原−街路樹− H16.12.11 岡山県吉備高原−街路樹−
総苞片 樹皮 果実
ヤマボウシ 先端が尖る 樹皮が剥がれる 核果の集合果
ハナミズキ 先端がくぼむ。 カキノキのような割れ目 液果状の核果

総苞片の色は,普通はヤマボウシは白,ハナミズキは桃色だが,紅花のヤマボウシ(f.rosea)や,白花のハナミズキといった品種も見られる。そのため,花の色では区別できない。

葉での区別は難しいが,しいて言えば,ハナミズキの方が大きく,ふちの波うち方が小さい。また裏面には,ハナミズキは短毛が密生するが,ヤマボウシはほとんど無毛。ただし脈腋については,ヤマボウシの方が明らかに茶褐色の毛が目立つ。
材は硬く割れにくいため,地方によっては樫(カシ)の代用として木槌の頭や,工具の柄などに利用されたらしい。
白い総苞片が美しく,公園樹や街路樹として利用されることも多い。しかし,葉の展開前に開花する北アメリカ原産のハナミズキの方が花が栄えることから,今日その座を奪われつつある。しかし,個人的には日本に在来の清楚なヤマボウシを応援したい気分である。
名の由来
中央の花序を坊主頭に,白い総苞片を頭巾に見立てたとされる。
岡山県情報
岡山県全域に分布するが,北部及び西部の吉備高原にやや多い。
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