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 【ミズキ科 ミズキ属】  Cornus officinalis
  サンシュユ  
【 山茱萸 】 別名/ハルコガネバナ(春黄金花) アキサンゴ(秋珊瑚)
 ●落葉小高木
 ●高さ:5〜10m
 ●花期:3上旬(岡山)〜4月
 ●果期:9〜11月
 ●分布:朝鮮,中国原産
参考文献:「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社) P654

H15.7.27 岡山市「半田山植物園」 H15.7.27 岡山市「半田山植物園」
葉は対生(たいせい)。
葉の先は尾状に鋭くとがり,ふちは全縁(ぜんえん)。側脈は,4〜7対あり,弧をえがいて先端に向かう。
うら面には,全面に白色の伏毛(ふくもう)がある。また,脈腋(みゃくえき)には,褐色の毛が密生する。
H15.6.3 岡山県「21世紀の森」 H15.10.26 岡山県「21世紀の森」
 熟していない果実もしっかりと形になっている。果期は9〜10月くらいなので,まだまだ3ヶ月近くあるのに…。しかし,考えてみれば,受粉と同時に種子の生長は始まっているわけだ。  真っ赤に熟した果実。これは見るからに美味しそう。鳥でなくても食べたくなる。もちろん生食も可能だ。
 もともとは江戸時代に薬用として持ち込まれたらしいが,今では,果実酒も利用されるそうだ。
 別名のアキサンゴ(秋珊瑚)は,この果実の様子からつけられているということ。
H15.6.3 岡山県吉備高原「21世紀の森」 H15.2.1 岡山市「半田山植物園」
樹皮(じゅひ)はうすくはがれる。左と右の写真は異なる個体だが,幹の伸びる角度が非常に似ている。このように幹は,斜めに伸びる傾向がある。
H15.11.9 岡山県加茂川町「21世紀の森」 H16.12.23 岡山県「21世紀の森」
 花芽(はなめ・かが)は短枝(たんし)の先についている丸みを帯びている。
 冬芽は,総包片(そうほうへん)に包まれている。総包片は,4個あるがこの時期には外側の2個しか見えない。つまり,2枚重ね状態だ。
こちらは葉芽(はめ・ようが)。細長く,将来は枝や葉になる。
 サンシュユをはじめ,マンサク,ロウバイ,レンギョウなど早春の花の多くが,葉の展開前に開花し,黄色い花をつけるなど似た点が多い。
H17.3.5 岡山市「半田山植物園」 H17.3.13 岡山市「半田山植物園」
 真冬にはぴたりと閉じられていた総包片(そうほうへん)が,口を開けて,黄色い花弁が顔を覗かせている。
 昨年は,3月6日にはもう開花していたが,今年はもう少し遅くなりそうだ。しかし,雄しべがぷつぷつと飛び出してきているのもあり開花は間もなくだろう。
 左写真の1週間後の様子。まだ昨年の3月6日のような満開状態とはいかない。
 この日は,「春一番」を思わせるような風の強い日だったが,時折雪も混じる寒さ。サンシュユの春までもう一歩。
H16.3.6 岡山市「半田山植物園」 H16.3.6 岡山市「半田山植物園」
短枝(たんし)の先に,散形花序(さんけいかじょ)をつける。 花序の基部には,総包片(そうほうへん)が4つあり,伏毛(ふくもう)が密生している。
H16.3.6 岡山市「半田山植物園」 H15.8.19 岡山県吉備高原「21世紀の森」
花弁や雄しべは4個。雌しべは1個ある。花弁は裏側へ反りかえる。 枝が斜め上向きに伸びるのも大きな特ちょう。

●見分けるポイント●

  1. 葉は対生し,側脈(そくみゃく)が弧をえがきつつ先端にむかうという,ミズキ科によくあるタイプ。
     
  2. 樹皮(じゅひ)は,皮が薄くはがれ落ちる。
●豆知識●
  1. サンシュユの名は,中国名の山茱萸(やまぐみ)を音読みしたことに由来。別名のハルコガネバナ(春黄金花)は,サンシュユのかわりに,牧野富太郎が提唱したもの。
メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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