ミズキ科アオキ属アオキ,学名:Aucuba japonica,by.かのんの樹木図鑑
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  【ミズキ科 アオキ属】  Aucuba japonica
  アオキ  
【 青木 】   別名 /アオキバ(青木葉),ダルマ
 ●常緑低木
 ●高さ:2〜3m
 ●花期:3〜5月 (雌雄異株)
 ●果期:12〜5月
 ●分布:北海道(南部),本州,四国,九州,沖縄
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社) P656
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P186
葉身16.5p,葉柄2.5p,幅5.5p (04/12/27)
2003.2.8 岡山県吉備中央町長田
葉は対生(たいせい)し,上部に束生状につく傾向がある。葉身は,卵状長楕円形で長さ8〜25p,基部はくさび形,先端は尖る。縁には粗い鋸歯が並ぶが,基部付近にはあまり見られない。葉柄は表面はくぼみ,葉柄もそれに合わせて上部に溝がある。主脈は裏面に隆起する。質はみずみずしくしなやかで,表面には光沢がある。両面とも無毛。
2007.3.4 岡山県「宇甘渓」
核果。長さは1.5〜2p。熟した果実は赤色で美しい光沢がある。花期は12〜5月とたいへん長く,花期にも果実が見られる。赤く熟すからには鳥散布を狙っているのだろうが,野鳥には余り人気はないようだ。
アオキの果実には,しばしば虫えい(虫こぶ)が作られ,アオキミフクレフシという名がつけられている。形成者はアオキミタマバエ。虫えいができた果実は,いびつな形になったり,果期を過ぎても脱落せず,長く枝に残る傾向がある。観察していると,アオキミタマバエに寄生した寄生バチの1種が出てくることもしばしばある。
2003.11.13 岡山県吉備中央町豊岡上 2004.1.2 岡山県御津町虎倉
冬芽(ふゆめ)。3対の芽鱗で覆われている。 花芽の展開の様子。
2010.3.28 岡山県久米郡美咲町西川 2004.4.10 岡山県吉備高原
雌雄異株(しゆういしゅ)で写真は雄花。花弁は4個で,先端が尖る。雌しべは退化し,4個の雄しべがある。左写真はまだ花粉を出しておらず,右写真はほぼ花粉を出し終えた状態だと思われる。
2005.3.6 岡山県「宇甘渓」 2005.4.24 岡山県「大平山」
展開し始めた花芽(はなめ・かが)。上部にある茶色いのはすでに開花した花序。 総状花序(そうじょうかじょ)を複数出しているので,複総状花序と呼ばれる。
2005.4.25 岡山県「宇甘渓」 2006.4.2 広島県「安芸動物園」
雌花は,中央に花柱があり,雄しべはない。
雄花に比べ雌花はなかなか見つけられない。考えてみれば,果実のある樹は雌株なわけだが,花のついているものは意外に少ないように感じた。
斑入りのアオキの雌花。
2004.1.2 岡山県御津町虎倉 2010.1.17 岡山県勝山町
葉痕(ようこん) スギやヒノキの人工林内でよく見かける。
2010.3.13 岡山県吉備中央町下竹
若い樹皮は緑色で,淡褐色の縦の割れ目が目立つ。老木になると灰褐色。
見どころ
アオキは極めて耐陰性が強い樹木で,やや湿潤な林内に多い。特に,年間と通じて極めて日照量の少ないスギやヒノキの人工林内においては樹種が少なく競争相手も少ない為,アオキにとっては有利な環境と言える。
名の由来
アオキの学名は“Aucuba japonica”。アオキ属を示す“Aucuba”(アオクバ)は,アオキの別名であるアオキバ(青木葉)に由来している。
冬でも光沢のある青々とした葉をつけている様子が和名の由来。
岡山県情報
温暖な山地の照葉樹林内や丘陵地の藪などに生育し,朝鮮半島南部にも分布する。岡山県内では全域に分布する。
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