ミカン科サンショウ属カラスザンショウ,学名:Zanthoxylum ailanthoides,かのんの樹木図鑑
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ミカン科サンショウ属】  Zanthoxylum ailanthoides Siebold et Zucc.
  カラスザンショウ
【烏山椒】 別名/アコウザンショウ,カラスノサンショウ,オオザンショウ
 ●落葉高木(らくようこうぼく)
 ●高さ:15m
 ●花期:7〜8月
 ●果期:11〜1月
 ●分布:本州,四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉,2001年,P244
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P126
2008.6.22 岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい),奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で小葉(しょうよう)は,6〜11対,基部はくさび形で,先端は細く尖る。縁には鈍鋸歯が並び,くぼんだところが腺点(せんてん)になっている。両面とも無毛,裏面は網目状の細脈(さいみゃく)が目立つ。光に透かすと腺点が明るく見える。葉軸は赤味を帯び,無毛。
H16.5.14 岡山県吉備中央町 H16.5.14 岡山県吉備中央町
H16.5.14 岡山県吉備中央町 H15.11.22 岡山県吉備中央町
2006.8.28 岡山県吉備中央町
2011.8.1 岡山県高梁市
花期を迎えると,枝先に黄色を帯びた大型の散房花序(さんぼうかじょ)をつける。雌雄別株で,この写真は雄花。花弁(かべん)は5個で白緑色。雄しべは5個で,葯(やく)は黄色,花糸(かし)は白色。中央には退化した雌しべがある。
ヒメトラハナムグリ アオハナムグリ シロテンハナムグリ
テーブル状になった花序には着地が苦手な甲虫類も寄りやすい。甲虫の目的は花粉を食べることだが,カラスザンショウにとって,甲虫は花粉を媒介してくれる存在。他にもアリ,ハチ,アブ,カラスアゲハなどが見られた。
H14 岡山県加茂川町「宇甘渓」
果実は3個の分果に分かれる。裂開した果実の中からは,光沢のある黒い種子がでてくる。
H15.11.22 岡山県吉備中央町 H16.5.14 岡山県吉備中央町
冬芽と維管束痕。維管束痕は動物の顔のように見える。 葉痕(ようこん)の上に,芽が見える。展開を始めそうな雰囲気だ。
2012.1.7 岡山県総社市種井 H16.3.6 岡山市「半田山植物園」
幹には短いとげがある。老木になると,とげはなくなり,イボ状の突起のみが残る。
H16.3.6 岡山市「半田山植物園」 H16.5.14 岡山県吉備中央町
老木になると棘の台座のみが残る。 若い枝の刺は赤味を帯びており鋭い。触れるとかなり痛い。
「岡山県野生生物目録2003年度版」によると,岡山県内には,コカラスザンショウ Zanthoxylum faurieiも個体数は多くないものの,広くに自生しているようだ。一説によると,カラスザンショウとイヌザンショウの雑種で,その中間型の形質を示しているらしい。
私はまだ,両者を区別できていないので今後,気を付けてみたい。
名の由来
「カラス」は役に立たない,かつ大型であるという意味。種子をカラスなどの野鳥が好んで食べることによるという説もある。(1)
しかし,果実を乾燥させたものは生薬名を「食茱萸(ショクシュユ)」といい,健胃,暑気あたりに利用されたり,葉を煎じたものはマラリヤや風邪薬に利用されたりする。さらに,材は黄白色で柔軟なため,下駄や細工物に利用されるなど決して役に立たないというわけでもないようだ。(2)
岡山県情報
岡山県全域に広く分布。典型的な陽樹で,河原や崩壊地,伐採跡地などに多い。時に照葉樹林内でも見かけるが,おそらくギャップができた際に,埋土種子が発芽し,いち早く高木層にまで成長して生き残ったものだろう。
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