ミカン科サンショウ属イヌザンショウ,学名:Zanthoxylum schinifolium,かのんの樹木図鑑
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 ミカン科 サンショウ属】  Zanthoxylum schinifolium
  イヌザンショウ  
 【 犬山椒 】   別名 / ヤマザンショウ,イヌザンショ
 ●落葉低木(らくようていぼく)
 ●高さ:1.5〜3m
 ●花期:7〜8月 雌雄異株
(しゆういしゅ)
 ●果期:9〜10月
 ●分布:本州,四国,九州
参考文献
「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社) P248
室井綽・清水美重子著「ほんとうの植物観察2」(地人書館)P92-93
2008.6.9  岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい)。奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で,小葉(しょうよう)は6〜11対。小葉の基部はくさび形で先端は尖る。縁には鈍鋸歯(どんきょし)が並ぶ。葉裏や,鋸歯のくぼんだ部分に油点がある。葉軸にも細かな刺がある。
H15.7.20 岡山県「自然保護センター」 2008.6.9  岡山県吉備中央町
H15.7.20 岡山県「自然保護センター」 H15.7.20 岡山県「自然保護センター」
刺も葉と同様に互生(ごせい)。近縁のサンショウは対生(たいせい)。サンショウの仲間の刺は,皮層の変形物と考えられている。 つぼみの様子。サンショウに比べて,密につく。
H15.8.17 岡山県佐伯町「自然保護センター」 H16.8.15 岡山県佐伯町「自然保護センター」
枝先に散房花序(さんぼうかじょ)をだす。雌雄異株(しゆういしゅ)であり,これは雌花(めばな) こちらが雄花。黄色い葯(やく)が目立つ。
2011.8.2 岡山県加賀郡吉備中央町
雄花。花弁は5個。雄しべは5個あり,葯(やく)は黄色。
2005.8.28 岡山県「自然保護センター」
雌花。花弁は5個ある。柱頭と子房は緑色でよく目立つ。
クロアナバチ(アナバチ科) クマバチ(コシブトハナバチ科) ハエの仲間 クサギカメムシ(カメムシ科)
ヒトリガ科コケガ亜科の1種
2006.8.8 岡山県「大平山」
イヌザンショウの花は目立たないが,蜜を多くだすためか,多彩な昆虫が集まる。
H15.11.2 岡山県佐伯町「自然保護センター」 H16.2.15 岡山県吉備高原
2011.10.16 岡山県加賀郡吉備中央町
3個の分果(ぶんか)に分かれる。それぞれの分果が裂開し,なかから黒くてつやのある種子を出す。
香り成分があるのは,果皮だが,本種は,口の中に入れてもかすかにサンショウの香りが広がる程度。
サンショウの果実は2個の分果。カラスザンショウは3個の分果。
H14.12 岡山県「長船美しい森」 2011.5.3 岡山県吉備中央町
ミカン科の樹木は,アゲハチョウのなかまの食草となる。 新葉の展開。
H15.8.17 岡山県佐伯町「自然保護センター」 H17.1.1 岡山県御津町虎倉
老木の樹皮(じゅひ)。刺が巨大化している。どのような成長を経てこのようになるのだろう? 直径が20pほどの大木が数本狭い範囲に自生していた。どの個体も同様に,南側の刺は小さく,北側のものはコブ状に大きく成長していた。日当たりによるものなのか…湿気によるものなのか…それとも身を守るためになにか必然性があったのか…
刺と葉のつき方 小葉の鋸歯 果実
イヌザンショウ 互生 鋸歯が多い 3個の分果
サンショウ 対生 鋸歯が少ない 2個の分果
カラスザンショウ Zanthoxylum ailanthoidesは,3個の分果
名の由来
「イヌ○○」と名のつく植物の多くは,“本物に劣る(役に立たない)”という意味が込められている。イヌザンショウの果皮は,刺激はあるものの,かすかに香りが口に広がる程度。サンショウは,口の中が麻痺するほど刺激が強い。
岡山県情報
岡山県全域に広く分布する。
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