マンサク科トサミズキ属コウヤミズキ，学名：Corylopsis gotoana，かのんの樹木図鑑
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【マンサク科　トサミズキ属】	Corylopsis gotoana
【　高野水木　】　　　別名　／　ミヤマトサミズキ（深山土佐水木）
●落葉低木 　●高さ：２〜５ｍ 　●花期：３〜４月 　●果期：11月 　●分布：本州（中部地方以西）・四国・九州　 ，蛇紋岩質に多い。
参考文献 (1) 高橋秀男・勝山輝男監修，『樹に咲く花』，山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑４〉，2001年，P24 (2) 北村四郎・岡本省吾，原色日本植物図鑑，保育社，1959年 (3) 千葉喬三監修，山陽新聞社，岡山の樹木，1989年，P159 (4) 松井宏光，葉で引く四国の樹木観察図鑑，高知新聞社，2002年，P379

H15.2.9 　岡山県「２１世紀の森」
葉は互生（ごせい）。葉身は長さ６〜12�p，卵円形〜円形で基部は心形。縁には先端が芒状（ぼうじょう）になった浅い鋸歯（きょし）がある。表面は無毛，裏面には，白い長毛が散生する。
H15.11.2　岡山県自然保護センター	H15.11.2　岡山県自然保護センター
秋には黄葉する。	冬芽。芽鱗（がりん）は２個。
2012.4.15　岡山県自然保護センター
早春，葉の展開前に開花する。花序（かじょ）は長さ３〜４�pで，黄色の花が４〜５個枝先から垂れ下がる。 ひとつの花の長さは約１�p。図鑑（１）では，雄しべは花弁とほぼ同長とあるが，上の写真では花冠（かかん）からやや突き出ているように見える。葯（やく）は暗紫色。花序の軸や萼（がく）は無毛。
H15.11.16　岡山県加賀郡吉備中央町（植栽）
裂開前の果実。�刮ﾊ（さくか）で，直径は７〜８�o。花柱が角状に残る。
H15.11.16　岡山県加賀郡吉備中央町（植栽）
裂開した果実。２裂し，中には黒くて光沢のある種子が２個入っている。

いずれも早春，葉の展開前に開花し，黄色い花をつけた花序を垂らす。花の数のほか，花序の軸の毛の有無，雄しべと花弁の長さ，葯の色などに注意する必要がある。 花序の花の数 花序の軸 雄しべと花弁の長さ 葯の色 葉身の長さ トサミズキ ７〜10個 毛が密生 雄しべ＝花弁 暗赤色 ５〜11�p コウヤミズキ ４〜５個 無毛 雄しべ＝花弁 暗赤色 ６〜12�p キリシマミズキ ５〜９個 無毛 雄しべ＜花弁 黄色 ３〜６�p ヒュウガミズキ １〜３個 雄しべ＜花弁 黄色 ２〜３�p

トサミズキは「土佐」，コウヤミズキは「高野」，キリシマミズキは「霧島」，ヒュウガミズキは「日向」と，トサミズキ属の仲間はいずれも「地名＋ミズキ」という名の付け方になっている。 事実，トサミズキは高知県の蛇紋岩地にのみ自生するし（４），キリシマミズキは，高知県，愛媛県のほか，九州の霧島山系に自生する(1)。しかし，ヒュウガミズキは，宮崎県日向市には自生しない(4)そうである。 そして，複数の資料に当たってみたが，コウヤミズキと高野山（和歌山県）の関連を説明したものを見つけられなかった。 次に，ミズキについては，ミズキ科のミズキ（Cornus controversa）との関連が考えられるが，全く似ているとは思えないし，分類上も全くの別種である。ちなみに，ミズキの名の由来は，樹液が多く，早春に枝を切ると樹液が滴り落ちることから「水木」であるとするのが定説だが，トサミズキ属の枝を切っても水は滴らなかったとしたＷｅｂページもあった。 こうしてみると，園芸種としての価値の高い樹木であるだけに，それらしい高尚な名前が付けられたのではないかと思える。（これは私の勝手な想像である。）

岡山県内の低山渓谷沿いに稀に自生する(3)。岡山県版レッドデータブックで絶滅危惧�U類に指定されている。

（注）作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので，まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

　

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