マメ科イヌエンジュ属イヌエンジュ(ハネミイヌエンジュ),学名:Maackia amurensis,かのんの樹木図鑑
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 マメ科 イヌエンジュ属】 学名 : Maackia amurensis
 イヌエンジュ
【犬槐】
別名/ハネミイヌエンジュ,カライヌエンジュ,ハネミノイヌエンジュ,ケハネミイヌエンジュ
 ●落葉高木(らくようこうぼく)
 ●高さ:15m
 ●花期:7〜8月
 ●果期:10〜11月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献
山と渓谷社「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花」P114 ※1
2008.6.26 岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい)。奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で,小葉(しょうよう)は4〜7対あり,ほぼ対生(たいせい)している。小葉の基部はくさび形で,先端は鈍く尖る。

私が疑問に思っているのは,毛の様子である。
保育社「検索入門樹木A」では“下面の中央脈を除いて毛はないかごく少ない”
山と渓谷社「木に咲く花 離弁花A」では,“裏面には短毛が生える” とそれぞれある。
私の観察では,小葉の表面にはやや伏した毛がまばらに生え,裏面にはやや褐色の伏毛(ふくもう)が密生している。特に脈上には多い。
これはむしろ,中部地方以北に自生するイヌエンジュ(Maackia ameurensis)の方に類似している。しかし,「岡山県野生生物目録2003年度版」に,イヌエンジュの記載はない。

→以前は本州(中部地方以西),四国,九州に分布するものをハネミイヌエンジュとしていたが,同じものとしてイヌエンジュにまとめられた。「岡山県野生生物目録2009年度版」においても,イヌエンジュ(Maackia amurensis)として記載された。 
2011.5.3 岡山県吉備中央町
展開しはじめたばかりの葉。全体に銀白色の軟毛が密生しており,よく目を引く。
2013.8.10 岡山県高梁市巨瀬町
枝先に数本の総状花序(そうじょうかじょ)を立ち上げるようにつける。やや黄色を帯びた蝶形花(ちょうけいか)が多数つく。
この時期にはリョウブが同じような総状花序をつけるが,遠目にも区別できる。
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町
つぼみ。
2005.12.27 岡山県吉備中央町 2011.5.3 岡山県吉備中央町
冬芽には,イヌエンジュ属の特徴がよく表れている。 若い枝。暗灰褐色ですべらか,やや光沢がある。樹皮を傷付けると独特の青臭い匂いがする。
2011.5.3 岡山県吉備中央町
エンジュ(Sophora japonica)
名の由来
「イヌ」は多くの植物名においては,“役に立たない”ことを意味する場合が多い。しかし,イヌエンジュの材は黄色の辺材と暗褐色の心材の対比が美しいことなどから,床柱や木工芸品材として高く評価されている。
それでも,やはり,中国から伝来した名高い縁起木エンジュには,劣ると見られたのだろうか…,それとも,単にエンジュと区別するために「イヌ」と付けたのだろうか。
岡山県情報
岡山県全域に自生し,特に岡山県中北部では普通に見られる。典型的な陽樹であり,道沿いなどで目にすることが多い。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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