キョウチクトウ科テイカカズラ属ケテイカカズラ,学名:Trachelospermum jasminoides var. pubescens,by.かのんの樹木図鑑
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キョウチクトウ科テイカカズラ属】 学名 :Trachelospermum jasminoides var. pubescens
 ケテイカカズラ
【 毛定家葛 】   別名 / 
 ●常緑つる性木本
 ●高さ:−−
 ●花期:5〜6月
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州,四国,九州
参考文献
1) 高橋秀男ほか,「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」(山と渓谷社)P305
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P58
3) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年

葉は対生(たいせい)。葉身は楕円形から長楕円形,長さ4〜8cm。革質で,上面は光沢があり無毛,下面には伏毛(ふくもう)がある。
葉には変化が大きく,ふつう地面をはう葉は小さいが,樹冠部に達すると大きな葉をつける。
2011.6.12 岡山県自然保護センター
花筒(かとう)の太い部分と,細い部分がほぼ同じ長さ。萼裂片(がくれつへん)は長さ5〜6oと長く反り返る。花柄にはやや毛が多い。
2011.6.12 岡山県自然保護センター
H16.6.6 岡山県自然保護センター 2005.5.15 岡山県自然保護センター
風車形の白い花をつける。花冠(かかん)は5裂する。甘い匂いが漂う。
2011.6.12 岡山県自然保護センター
本年枝には,褐色の軟毛が密生している。これはテイカカズラにも共通する。
H15.7.27 岡山県自然保護センター H15.5.25 岡山県自然保護センター
長さ15〜25pの袋果(たいか)を写真のように八の字につける。袋果を傷付けると,乳液が出る。 気根を出して石垣にもはい登り,一面を覆う。
2012.2.5 岡山県笠岡市大飛島
種子には冠毛(かんもう)がある。冠毛は鞘の中ではたたまれているが,鞘がさけると広がり,風散布(かぜさんぷ)される。種子は長さ1.3pほどの線形で赤褐色。
種子は一定の湿度を得ると冠毛が脱落する仕組みになっており,発芽に適した場所に少しでも高い確率でとどまれるように工夫されている。
チトセカズラ Gardneria multiflora (図1)とよく似た環境に生育し,葉の質感や付き方も似ている。普通,チトセカズラの方が葉が大きいが,両者ともに葉の変化が大きいことから見間違えやすい。
ケツルマサキ Euonymus fortunei var. villosus(図2)も,よく似た環境に生育し,葉の質感が似ている上,葉の変化が大きい。ケツルマサキは基本的には対生である。また幹の樹皮の感じや,冬芽の様子も区別するポイントになる。
図1 図2
以前は同一種とされていたが,テイカカズラとケテイカカズラを区別する考えが定着しつつある。両者を区別する最も分かりやすいポイントは,花筒の太い部分と細い部分のバランスである(下写真)。また,花柄に毛が多いか少ないかでも区別できるが,多い少ないは並べてみないと分かりにくいという欠点がある。さらに気を付けたいのは本年枝の枝には両者とも毛が密生している点。単純に毛が多いからケテイカカズラとは言い切れないようだ。
テイカカズラ ▼ケテイカカズラ
キョウチクトウ科には,有毒のアルカロイドを含むものが多く,テイカカズラも例外ではない。茎や葉を乾燥し,煎じて解熱や強壮などの薬用にも利用されるらしい。
名の由来
全体に毛の多いテイカカズラの意味。テイカカズラの名の由来については,テイカカズラを参照のこと。
岡山県情報
テイカカズラとケテイカカズラの分布についてはまだ明確にされていないようだ。ケテイカカズラは岡山県南部に多いのではないかと考えられている。
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