もどる ホーム ←検索サイトから来られた方は,ホームへおいで下さい!かのんの樹木図鑑,イヌビワ,ホソバイヌビワ,学名:Ficus erecta

 クワ科 イチジク属 イチジク亜属】  Ficus erecta
 イヌビワ  
【 犬枇杷 】   別名/イタビ,イタブ,コイチジク,ウシノシタ
 ●落葉小高木(らくようしょうこうぼく)
 ●高さ:3〜5m
 ●花期:4〜5月  雌雄異株
(しゆういしゅ)
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(関東地方以西)・四国・九州・沖縄
 
参考文献:「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社)P338 ※1
2008.6.15 岡山県和気町
葉は互生
(ごせい),基部は円形もしくはごく浅い心形,先端は凸形。縁は全縁(ぜんえん)。葉の中央部付近で幅が最大になり,基部付近で急速に狭まる。両面とも無毛。
2007.3.4 岡山市「半田山植物園」
イヌビワの花期は4〜5月。上写真は雄株についた越冬した花のう。もうしばらくすると,雄しべが成熟し花粉を出し始めるとともに,口部が開き,中からイヌビワコバチ(イチジクコバチ科)のメスが出てくる。このときすでに,イヌビワコバチは,同じ花のう内で羽化したオスと交尾を済ませている。
写真下部には花芽(丸い冬芽)が見える。間もなく展開し,1〜2ヶ月の内には開花するだろう。
H15.5.18 岡山県自然保護センター 2006.12.11 岡山市「半田山植物園」
山渓の図鑑(※1)では,「両面とも無毛」とあるが,私の観察では,両面とも有毛で,手触りはざらつく。若い葉と,成葉の差違と思われる。おそらく後に無毛になるのだろう。
H15.5.18 岡山県自然保護センター 2006.12.11 岡山市「半田山植物園」
葉の表面。かたい毛があり,ざらついた。
H15.7.20 岡山県自然保護センター H15.11.2 岡山県自然保護センター
クワ科イチジク属の花を,隠頭花序(いんとうかじょという。花軸が多肉化し,外側から多数の花を包み込んでいるため,果実のように見えるが,集散花序の特殊な形と考えられている。 あるいは,花のうと記述している図鑑もある。(以下,花のうとする)
(参考:家の光協会「ビジュアル園芸・植物用語事典56項)
イヌビワの花のうは雌雄異株
(しゆういしゅ)。つまり,雄花をつける株と雌花をつける株が別々にある。花のうでは,雄しべも雌しべも多肉化した花軸に包まれているため,花粉の媒介は,イチジクコバチ科のイヌビワコバチに限られている。
H16.11.21 岡山県自然保護センター H16.11.21 岡山県自然保護センター
尖ったのが葉芽(はめ・ようが)。下方にある丸いのが花芽(はなめ・かが)。托葉痕(たくようこん)が枝を一周する。(通称「はちまき」と言われる) 花芽と葉痕(ようこん)。おもしろい顔に見える。
H16.11.21 岡山県自然保護センター
側芽(そくが)。花芽だろう。
H15.5.18 岡山県自然保護センター
ホソバイヌビワ(f.sieboldii)葉が細い特徴をもつ。
見どころ
枝や葉を傷つけると,白い乳液がでるのはイチジク属の特徴である。
名の由来
イヌビワは「びわ」と名が付くが,クワ科イチジク属である。(ビワはバラ科)イヌには「劣るもの」という意味があり,ビワに似ているが,ビワよりも劣るものという意味である。イチジク属なのだから,当然ビワよりもイチジクに似ている。「イヌイチジク」の方が相応な気がする。ところが,イチジクが日本に渡来したのは,寛永年間(1624-44)と考えられている。ビワも中国からの渡来説が有力だが,奈良時代にはすでに日本にあったと言われているので,比較の対象とされたのは「イチジク」ではなく「ビワ」だったというわけ。
岡山県情報
沿岸部の林内,暖地の山地や丘陵に多い。岡山県内では,沿岸部を中心とする南部に広く分布する。
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