クスノキ科クスノキ属ヤブニッケイ,学名:Cinnamomum japonicum,かのんの樹木図鑑
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 【クスノキ科 クスノキ属】  Cinnamomum japonicum
  ヤブニッケイ  
【 藪肉桂 】 別名/マツラニッケイ(松浦肉桂),クスタブ,クロダモ
 ●常緑高木(じょうりょくこうぼく)
 ●高さ:20m
 ●花期:6月
 ●果期:10〜11月
 ●分布:本州(福島県以南),四国,九州,沖縄
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑5〉,2001年,P398
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P246
葉身8p,葉柄1.2p,幅1.9p (05/01/22)
葉は互生
(ごせい)。葉身は楕円形で,長さ7〜10cm。質は固く,ぱりっとした感じ。主脈は基部から5〜8oほど入り,3主脈に分かれる。クスノキに似るが,ダニ室といわれる葉脈分岐点のふくらみはない。縁は全縁で多少波打つ。葉をちぎってもむと,爽やかな香りがするが,同属のニッケイに比べると弱い。
2002.1.20 岡山県久米郡美咲町 2004.12.12 岡山県和気郡和気町
2011.6.12 岡山県自然保護センター
2本の支脈(しみゃく)は,葉の先まで達せず,肩のあたりで消失する。同属のニッケイは,支脈が先端付近まで達する。 裏面は,無毛で淡い緑色。同属のニッケイは,伏毛(ふくもう)があり粉白色。
H15.2.1 岡山市「半田山植物園」 H16.12.12 岡山県「自然保護センター」
成長するとこのような大木に育つのかと驚かされる。樹林中でよく見かけるものは,低木が多い。 若い葉や枝は赤褐色を帯びる。
2011.6.19 岡山県加賀郡吉備中央町
2011.6.12 岡山県自然保護センター
花は長い柄の先に散形(さんけい)状につく。花被片(かひへん)は淡い黄緑色で,6個あり,平開(へいかい)しない。
H15.8.17 岡山市「半田山植物園」 H15.11.14 岡山市「護国神社」
液果。球形もしくは楕円形で,長さ役1.5cm。近縁種のニッケイに比べると,杯状の果床(かしょう)の部分が浅いのが特ちょう。
H16.12.12 岡山県和気郡和気町 H16.12.12 岡山県和気郡和気町
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
冬芽は赤褐色の複数の芽鱗(がりん)に包まれている。赤味の強さは生育環境などにより様々。
同属のニッケイは芽鱗が4枚と少ない。
H17.1.21 岡山市「半田山植物園」 H16.1.4 岡山市「半田山植物園」
若い枝はくすんだ緑色で,縦長のコルク質(?)が目立つ。
2012.1.7 岡山県総社市種井
胸高周囲が約60pの成木の樹皮。
暗い褐色で平坦。皮目
(ひもく)が目立たない。樹皮を削ると葉と同様にクスノキ科に独特の芳香がある。
クスノキ科の常緑樹で,3脈が目立つのは,シロダモイヌガシヤブニッケイクスノキ。その中でヤブニッケイは最も葉に厚みがあり堅い。また,葉を傷付けたときに独特の芳香がある。
かつては,種子から香油(肉桂油)を採取し,葉や樹皮はニッケイと同様に薬用にされた。また,葉には芳香がありゲッケイジュ(Laurus nobilisの代用にもされる(2)
材はやや密で堅く,家具・器具・建築材となる(2)
名の由来
藪に生えるニッケイの意味。「ヤブ」は役に立たない,劣るものという意味も含むと思われる。ニッケイは,肉厚の桂の意味で,桂は中国では香木を指す。
実際には,古くから,材や葉が生活に利用されており,役に立たないわけではないが,あくまでエリートである「ニッケイ」と比較しての話である。
岡山県情報
岡山県全域に分布する。雑木林でも見かけるが,照葉樹林の亜高木層を形成する代表的な樹種である。
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