クスノキ科タブノキ属タブノキ,学名:Machilus thunbergii,かのんの樹木図鑑
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【クスノキ科 タブノキ属】 | Machilus thunbergii | |
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【 椨の木 】 別名 / イヌグス,タマグス | ||
●常緑高木 ●高さ:20m ●花期:4〜5月,両性花(りょうせいか) ●果期:7〜8月 ●分布:本州,四国,九州,沖縄 |
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参考文献 (1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P408 (2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年,P260 (3) 深津正,小林義雄著,木の名の由来,東京書籍,1993年 (4) おかやまの自然第2版,岡山県環境保健部自然保護課,1993年 |
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ブナ科のマテバシイ(Lithocarpus edulis)(図1)の葉に似ている…と感じているのは私だけかも知れないが,時々どっちかな…と思ってしまう。(もちろん,果実や花があれば間違えようもない。) ただ,私は,タブノキの方がふつう葉が小さいことや,葉を傷付けるとクスノキ科特有の匂いがすること,冬芽の形状,樹皮などから総合的に判断するようにしている。 あと,やや反則技かも知れないが,樹下をさがしてドングリがあるか確認する手もある。なければタブノキとは言い難いが,あればマテバシイの可能性はぐっと高くなる。 |
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図1 | ![]() |
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クスノキ科の常緑樹の中には,3行脈が発達したものがある。
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材はやや硬く,大径材が得られたことから,建築材,家具材,枕木,船舶材など多方面に用いられた。 近年は,樹形の美しさから公園樹や街路樹にも用いられる(2)。 |
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一説には,「丸木船」を意味する韓国の方言「t'ong-bai」が由来と言われる(3)。 別名のイヌグスは,クスノキよりも材が劣ることに由来する(1)。しかし,タブノキの材や樹皮も昔から有用性が高く,様々な生活場面で生かされてきており,「劣る」というのは,あくまでエリートであるクスノキと比較しての話である。 |
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タブノキはふつう海岸近くの温暖で湿潤な気候下で生育するが,岡山県では比較的内陸部の総社市の熊野神社,御前(みさき)神社などに分布域がある。瀬戸内海沿岸の乾燥した気候が,沿岸でのタブノキの生育を妨げていると考えられている(4)。 私が住む吉備高原都市の周辺にもタブノキが点在し,中には狭いながらもタブノキが優先していると思える林もある。 ただ,これが昔からあったものなのか,吉備高原都市ができたことに起因するものなのかは不明である。しかし,吉備高原都市から数q離れた雑木林にも見られること,様々な成長段階の株があることから,昔から自生しているのではないかと私は思っている。 |
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