クスノキ科ハマビワ属カゴノキ,学名:Litsea coreana,かのんの樹木図鑑
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 【クスノキ科 ハマビワ属】  Litsea coreana
  カゴノキ 
【 鹿子の木 】   別名 / コガノキ,カゴガシ(鹿子樫)
●常緑高木
●高さ:22m
●花期:8〜9月 雌雄異株
(しゆういしゅ
●果期:翌年の秋
●分布:本州(関東地方・福井県以西),四国,九州
参考文献
(1) 高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P448
(2) 松井宏光,葉で引く四国の樹木観察図鑑,高知新聞社,2002年
(3) 狩山俊吾,岡山県のクスノキ科,倉敷市立自然史博物館研究報告,2009年
2011.12.30 岡山県加賀郡吉備中央町
H15.8.12 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.8.12 岡山県加賀郡吉備中央町
葉は互生(ごせい)。倒披針形または,倒卵状長楕円形。先端は鈍くとがる。
ふちは全縁
(ぜんえん)。薄い革質で,光沢がある。
葉柄
(ようへい)の長さは,8〜15o。うら面は,灰白色。はじめ長い毛があるがのちに無毛になる。
H15.8.12 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.8.12 岡山県加賀郡吉備中央町
新枝は緑褐色。細くて無毛。
H15.2.10 岡山県加賀郡吉備中央町 2011.5.7 岡山県吉備中央町
葉芽は,細長く,黄褐色の芽鱗に包まれる。花芽は球形。 新葉の展開の様子
2012.7.30 岡山県高梁市川上町  2012.9.26 岡山県高梁市川上町
花芽がふくらんできている。花期が楽しみ。 雌雄異株。写真は雄花で葉腋に3〜4個つく。柄はない。雄しべは9個あり、花被から長くつきでる。花糸(かし)は有毛。
全体に淡い黄色で目立ちにくい上、高いところに花をつけるので目にする機会は少ない。
2011.12.30 御津虎倉 2011.12.30 吉備中央町 H15.2.10 吉備中央町
岡山市旧御津町の妙見山の北側御津虎倉の山中にて。目通り周囲約35p。 吉備高原都市周辺の山林にも結構大きなカゴノキを見つけて驚いた。目通り周囲約60p。 直径10pほどの幹の樹皮。鹿の子模様はまだなく,丸い皮目がある。
2010.1.20 岡山県久米郡美咲町 2010.1.20 岡山県久米郡美咲町
2012.1.29 岡山県美咲町両山寺
2012.2.3 岡山県加賀郡吉備中央町「大平山」
樹皮は,初め灰黒色で平坦,後に薄く剥がれ落ち,まだら模様(鹿の子模様)となる。
同様に樹皮が剥がれてまだら模様になる樹種はいろいろあるが,カゴノキは赤褐色,くすんだ緑色,淡い黄色などが入り交じり独特の色合いを呈する。
2010.1.20 岡山県久米郡美咲町 2012.4.1 岡山県吉備中央町高谷
本山寺のカゴノキ,推定樹齢360年,目通り周囲3.1m,樹高14m。自然樹形では丸い樹冠をつくる(2)。各地に名木,巨木があるところを見ると,比較的長寿な樹種と思われる。 本山寺のカゴノキとは比較にならないが,近所にこんな立派なカゴノキがあったことに驚いた。右側にあるのはヤブツバキ。
葉は際だった特徴がなく,ときに判断に迷うことがある。鹿の子模様の樹皮や,細長い冬芽は特徴的で有力な手がかりとなる。
タブノキとカゴノキは,どちらも3行脈のないクスノキ科の常緑樹で,同じ林内で見られることも多い。ふつうはタブノキの方が葉の幅が広いのだが,幼木では時に判断に迷う場合がある。そうしたときには私は芽で判断するようにしている。
材は堅く,建築材や船舶材,器具材,太鼓や鼓の胴などに用いられる(2)。また,独特の鹿の子模様を生かして床柱にされる。薪炭材としても利用される。

右の写真は,直径40pにも達する大木の切り口。“材の色は暗褐色”と称されるとおり,やや黒みがかっているが,赤味も強く美しい。
名の由来
鹿の子模様の樹皮に由来。「鹿の子」が「カゴ」となった。別名の「カゴガシ」は,「鹿の子模様のある樫」という意味で,材としての有用性をうかがい知ることができる。「コガノキ」は,「カゴノキ」が間違って伝わったものだろう。
岡山県情報
岡山県では,分布の中心は吉備高原にあり,中国山地の標高の高いところを除くほぼ全域に分布する。本来温暖な地域に多いのだろうが,乾燥にはあまり強くないのだろう。
メール(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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