クルミ科クルミ属オニグルミ,学名:Juglans mandshurica var. sieboldiana,かのんの樹木図鑑
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 クルミ科 クルミ属】  Juglans mandshurica var. sieboldiana
  オニグルミ  
【 鬼胡桃 】   別名 /−−
 ●落葉高木
 ●高さ:7〜20m
 ●花期:5〜6月  雌雄同株
(しゆうどうしゅ)
 ●果期:9〜10月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献
(1)「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社)P30
(2)松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P98
2008.6.22 岡山県吉備中央町

葉は互生
(ごせい),奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)で,小葉(しょうよう)は5〜9対ある。小葉の基部は円形または切形で,左右不相称。先端は尖る。縁には浅い鋸歯(きょし)がある。質は薄く,表面には脈上にわずかに毛がある。裏面は全体に星状毛(せいじょうもう)が密生し,特に脈上には多い。主脈はやや赤味を帯びることがある。
葉軸や葉柄
(ようへい)には,腺毛(せんもう)や軟毛が密生している。
H15.6.14 岡山市北区御津 H15.6.14 岡山市北区御津
H15.6.14 岡山市北区御津   H15.8.15 岡山市北区御津
2006.6.4 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.6.14 岡山市北区御津
若い果実(かじつ)。
H14.??? 岡山市北区御津  H15.10.19 岡山市北区御津
熟して落下した果実。直径3pほどの球形で,褐色の短毛が密生する。果肉には,ユグロンという物質が含まれており,これが多の植物の生育を阻害する作用(アレロパシー)があることが知られている。 ユニークな双子の果実。中には2個のクルミがあった。
 H15.10.15 岡山県加賀郡吉備中央町 2010.5.15 岡山県加賀郡吉備中央町
種子は脂肪を多くふくみ味も良いが,市販されているテウチグルミに比べると食べられる部分は少ない。殻の縫合線にノミを打つときれいに2つに割れる。※葉はアベマキ
H15.12.23 岡山市「子供の森」  H15.6.14 岡山市北区御津
頂芽(ちょうが)。裸芽(らが)で褐色の毛が密生する。葉痕(ようこん)は大きく,3つの維管束痕のグループが動物の顔を連想させる。 樹皮は暗灰褐色。
H6.4.22 岡山市北区御津
雄花序は,前年枝の葉腋(ようえき)から,穂状に垂れ下がる。間近で見るとらせん状に小さな花序が並んでいるのが分かる。雄花には十数個の雄しべがある。
H6.4.22 岡山市北区御津 2006.5.7 岡山県吉備中央町
雌花序は,本年枝の先端にひっそり花開いている。よく見ないと気付かない。 雌花序。子房は筒状の花床(かしょう)に包まれ,濃赤色の花柱が2裂しているのが目立つ。花軸に腺毛(せんもう)や長毛が多い。
2007.9.1 岡山県加賀郡吉備中央町
我が家の庭のオニグルミに大発生したトサカフトメイガ。天幕を張り集団で生活する。食べ尽くすと集団で別の葉に移動を繰り返す。移動は主に夜間に行われている。刺激を与えると,体をピクッと動かし威嚇行動をとる。他の幼虫もそれに同調し,枝全体を波打つように揺らす。
2007.5.5 岡山県加賀郡吉備中央町 H15.6.14 岡山市北区御津
クルミハムシは,成虫,幼虫ともにオニグルミの葉を食害する。 オニグルミの葉が,丸裸になっているのをよく見かける。近寄ってみると「クスサン」のよう虫(通称:シラガタロウ)がたくさんついているのをよく見かける。
見どころ
●種子は脂肪を多く含み,味も良いが,食べられる部分は少ない。一般に「クルミ」として販売されているのは,ヨーロッパ東部から西アジア原産のテウチグルミ(カシグルミ)(樫胡桃)である。「菓子胡桃」として苗も出回っている。

●固い内果皮に守られたクルミの中身を食べることができる動物は,リス,アカネズミなど強力な歯を有するものに限られる。リスは,縫合線に沿って真っ2つに割るが,アカネズミは縫合線に関係なく穴を開けて,食べてしまう。

●日本に自生するクルミ属はオニグルミとその変種であるヒメグルミ(.var.cordiformis)の2種のみ。 18世紀に朝鮮半島を経由して渡来したテウチグルミ(カシグルミ)や,大正時代にアメリカから導入されたペルシャグルミ,また,テウチグルミとペルシャグルミの自然交配種であるシナノグルミが東北地方や,長野県で栽培される。

・オニグルミ…小葉は4〜10対で細かな鋸歯あり。星状毛が多い。
・テウチグルミ…小葉は2〜4対で全縁。
名の由来
内果皮のしわを鬼の顔に見立てたとされる。
岡山県情報
岡山県全域に広く分布する。特に河川沿いに多い。
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