クロウメモドキ科クマヤナギ属クマヤナギ,学名:Berchemia racemosa,かのんの樹木図鑑
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 【クロウメモドキ科 クマヤナギ属】 学名:Berchemia racemosa
    Siebold et Zucc.
クマヤナギ
 
【 熊柳 】   別名 / −− 
 ●落葉低木(らくようていぼく)
 ●高さ:5m
 ●花期:7〜8月
 ●果期:翌年の7〜8月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献 
1) 山と渓谷社「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花」P512
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P264
3) 狩山俊吾,岡山県のクロウメモドキ科,倉敷市立自然史博物館研究報告,2011年

2008.8.17 岡山県吉備中央町
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町
枝先付近の葉腋(ようえき)から,総状花序(そうじょうかじょ)を出し,小さな淡黄色の花を多数つける(上の写真)。枝先では複総状花序になる(下の写真)。
2008.8.17 岡山県吉備中央町 2008.8.17 岡山県吉備中央町
両性花(りょうせいか)。花弁(かべん),萼片(がくへん)は各5個あり,ほぼ同形。萼片はやや外に反り返り,花弁は雄しべを抱くように内側に巻く。雄しべは5個あり,葯(やく)は紫色。柱頭は淡黄緑色。
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町
2008.8.17 岡山県吉備中央町
葉は互生(ごせい)。基部は円形,先端は丸いか鈍く尖る。全縁(ぜんえん)。硬くしっかりとした質感で,一見すると常緑に見える。裏面はやや白味を帯び,網状脈が目立つ。葉脈は平行に伸び葉縁に達する。
本年枝は緑色でなめらか。
2009.6.22 岡山県吉備中央町
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町
核果(かくか)。赤色から黒色に熟す。生食のほか,果実酒にも利用できる。
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町 2008.8.28 岡山県吉備中央町
若い枝は緑色で,縦に浅い割れ目が入る。 おそらくクマヤナギの幼木。小さいながらも葉の形がよく似ている。茎や葉柄が鮮やかな赤色を呈しているのも印象的。
2011.7.27 岡山県高梁市巨瀬町
つる性の落葉低木であるが,巻きひげや気根などはなく,他の植物にのしかかるように成長する。上の写真はアカマツにのしかかっている。
クマヤナギの枝はしなやかで強く,かつては,縄の代用にしたり,馬の鞭,輪かんじきの材料にしたりする地域があった。また,会津地方ではお茶の代用とした。(参考:改訂版原色牧野植物大図鑑,北隆館)
果実は生食したり,果実酒にしたりできる。また,若菜は山菜となる。
種 名 特  徴
ホナガノクマヤナギ 総状花序は分岐しないか,基部がわずかに分岐する。
クマヤナギ 総状花序は多数開出し,円錐状になる。
名の由来
和名は,茎が強いため熊に譬え,葉をヤナギの葉に見立てたものとの説がある。しかし,「クマ」については,果実が小粒で米粒に似ていることから※の古語である「クマ」を意味するとの異説がある。(2)
岡山県情報
岡山県内に広く分布し,丘陵地の二次林内や林縁などに生育する。また,県内には近縁のホナガクマヤナギ(Berchemia longiracemosa Okuyama)が自生するが,中国山地の一部にまれに自生し,岡山版RDB2009(岡山県編,2010)で「準絶滅危惧」に指定されている。(3)
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