カバノキ科ハンノキ属ハンノキ,学名:Alnus japonica,かのんの樹木図鑑
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 【カバノキ科 ハンノキ属】  Alnus japonica
  ハンノキ 
【 榛の木 】   別名 / ハリノキ
 ●落葉高木(らくようこうぼく)
 ●高さ:10〜20m
 ●花期:暖地で11月,寒いところでは4月  
雌雄同株(しゆうどうしゅ)
 ●果期:10月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州,沖縄
 ●生育環境:湿地,二次林
参考文献
・高橋秀男・勝山輝男監修『樹に咲く花』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑3〉,2001年,P166
・岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年

H15.7.6 岡山県和気郡和気町
2011.11.27 岡山県真庭市蒜山下和山
葉は互生(ごせい)。葉身は卵状長楕円形で,長さ5〜13cm。表面は無毛で,ふちには浅い不揃いの鋸歯(きょし)がある。葉脈(ようみゃく)は裏面に隆起する。主脈基部に茶褐色の粗い毛がある。
2009.7.12 岡山県総社市「ヒイゴ池湿地」 2009.7.12 岡山県総社市「ヒイゴ池湿地」
若い果穂(かすい)。先端にはしなびた雄花序がまだ残っている。 熟した果穂(かすい)。長さ1.5-2cm。これは昨年のものがのこっていたもの。長く枝に残る。
2011.11.27 岡山県真庭市蒜山下和山
落ちていた果穂。軽く振ると中に残っていた堅果(けんか)が出てきた。一緒に半透明なワックスのようなものも落ちてきた。
堅果は長さ3〜4oで扁平。色は茶褐色。頂部には花柱が残り,翼
(よく)はほとんどない。
H15.11.2 岡山県和気郡和気町」 2011.11.27 岡山県真庭市蒜山下和山
枝先には雄花序がつき,少し下がったところに雌花序がつく。[詳細]花は,葉の展開前に咲く。 果鱗。果鱗とは球果を構成する特殊化した葉である。ハンノキの果鱗は長さ5〜6oの扇形。縦方向にたくさんの溝がある。
2006.4.8 岡山県真庭市蒜山下和山
ハンノキの雄花序。赤褐色で長く垂れ下がる。写真のものはまだあまり花粉をだしていない状態で落ちてしまっているように見える。
2006.4.8 岡山県真庭市蒜山下和山 H15.7.6 岡山県和気郡和気町
樹皮(じゅひ)は不規則に浅く裂けてはがれる。左側が老木,右側が若木。
2011.11.27 岡山県真庭市蒜山下和山
ハンノキの冬芽と葉痕(ようこん)。赤褐色で表面をワックス質のものが覆っているように見える。
H15.11.2 岡山県和気郡和気町 2011.11.27 岡山県真庭市蒜山下和山
落葉樹は,落葉前に葉の中の養分をできるだけ回収するそうだが,ハンノキは写真のように,まだ緑色の葉を落とす。
ハンノキの仲間の根には放線菌が共生しており,空中の窒素を固定しハンノキに供給している。そのため生活にゆとりがあるのではないかという話を聴いたことがある。
・ハンノキの果穂や樹皮にはタンニン(俗に言う渋)が多く含まれており,染料として利用されてきた。
・湿地でも旺盛に成長することから,水田近くにはざ掛け用に植栽されることがある。はざ掛けとは刈り取った稲を天日乾燥するために逆さに掛けること。
・材は良質な炭になる。
名の由来
ハリノキ(榛の木)の転訛とされている。
しかし,この「はり」が何を意味するかについては諸説あり,雑木や草が群がり生える「やぶ」の意味であるとする説や,開墾の意味の古語「墾(針)」であるとする説などがあるようだ。
私としては,稲のはざ掛けに用いられたことから,「梁の木」だったのではないかと思うのだがいかがだろうか。
岡山県情報
岡山県全域に分布。湿地や放棄水田に多くみられる。
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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