カバノキ科クマシデ属アカシデ,学名:Carpinus laxiflora,かのんの樹木図鑑
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 【カバノキ科 クマシデ属】  Carpinus laxiflora
  アカシデ  
【 赤四手 】   別名 /シデノキ,コソネ,ソロ
 ●落葉高木(らくようこうぼく)
 ●高さ:15m
 ●花期:4〜5月 雌雄同株,花は葉の展開と同時に開く。
 ●果期:8〜9月
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献:「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社) P196
2008.6.8 岡山県吉備中央町
葉は互生
(ごせい)。基部は円形,先端は尾状に長く尖る。縁には不揃いの重鋸歯(じゅうきょし)が並ぶ。側脈(そくみゃく)は直線的で葉の縁まで達する。表面には長い伏毛(ふくもう)が散生,裏面は脈上及び脈腋に長毛が散生するが,あまり目立たない。葉柄(ようへい)の基部はやや赤味を帯びる。
2007.4.12 岡山県吉備中央町上野
4月,アカシデの花序。苞(ほう),葯(やく)の先端の赤が目立つ。雄花序は前年枝から,雌花序は本年枝から垂れ下がる。
2011.4.16 岡山県高梁市臥牛山 2011.4.16 岡山県高梁市臥牛山
雌花序は混芽(こんが)で,葉の展開と同時に伸びる。花柱は紅色。 雄花序。苞(ほう)は赤みが強く,先端は尖り縁には軟毛がある。
H15.5.23 岡山県吉備高原 H15.5.23 岡山県吉備高原
葉先が尾状に伸びる。 裏面の様子。
2007.4.12 岡山県吉備中央町上野 2005.4.29 岡山県「21世紀の森」
雄花序と冬芽 花期も終わりに近づき,雄花序もだらりと垂れたように伸びる。赤味も目立たなくなってきた。
H17.4.29 岡山県「21世紀の森」
雌花序。もう未成熟な果穂(かすい)と言ってもいいかも知れない。
H15.5.23 岡山県吉備高原 2005.11.13 岡山県「大平山」
まだ若い果穂(かすい) 熟すと赤褐色になる。葉状の果苞(かほう)が美しく目立つ。
2005.11.13 岡山県「大平山」
果苞(かほう)の付いた果実は,バラバラになり落下する。果苞には鋸歯がある。
H15.12.14 岡山県吉備高原 H16.4.8 岡山県吉備高原
冬芽の展開が始まっていた。
H16.11.9 岡山県吉備高原
秋も深まると,赤や黄色に色づいた葉が美しい。クリックしてアップにすると,表面に長い伏毛(ふくもう)が散生しているのが分かる。
2011.6.27 岡山県高梁市「臥牛山」 2011.12.31 岡山県御津宇甘九谷
2012.1.21 岡山県高梁市巨瀬町「祇園寺」
樹皮(じゅひ)は灰白色,成木では筋張った隆起が縦方向に走り老木になるほど溝が深くなる。また,しばしば地衣類が着床する。遠目には縦のうねりが目立つが,近くから見ると横向きの筋が無数にあるのが分かる。これらの特徴により落葉後も樹皮だけでアカシデと分かる。
下の写真のアカシデは胸高周囲が100pほどの大木。
岡山県内に自生するクマシデ属(Carpinus)とその特徴。
サワシバ 葉身の基部が深い心形。
クマシデ 側脈の間隔が狭く葉が細長い。
アカシデ 葉柄が長く,葉先が尾状に伸びる。
イヌシデ 葉柄が短く全体に毛深い。
イワシデ アカシデに似るが,アカシデほど葉先が尾状に伸びない。
名の由来
「シデ」は,ホップ状の果穂が垂れた様子を神事に用いられる「四手(しで)」に見立てたとされる。
四手は,玉串(たまぐし)やしめ縄などにつけて垂らす紙である(右写真)。
参考・引用文献
中村浩著,植物名の由来,東京選書,1980年


「アカ」は,春先に展開する赤みを帯びた雄花序,もしくは秋の紅葉の美しさを表しているのではないかと思う。
岡山県情報
岡山県全域に広く分布する。瀬戸内丘陵には少ない。
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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