ホルトノキ科ホルトノキ属ホルトノキ,学名:Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus,かのんの樹木図鑑
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 ホルトノキ科 ホルトノキ属】  Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus
  ホルトノキ
【ホルトの木】 別名/モガシ(茂樫),ヒチジョウ,ハボソノキ
 ●常緑高木
 ●高さ:10〜15m
 ●花期:7〜8月
 ●果期:11〜2月
 ●分布:本州(千葉県南部以西),四国,九州,沖縄
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 離弁花A」(山と渓谷社)P550
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P372
葉身13p,葉柄1.5p,幅4p (05/01/15)
H16.1.4 岡山市「半田山植物園」 H15.8.17 岡山市「半田山植物園」
 葉は互生(ごせい)で枝先に集まって束生状につく。縁には鈍い鋸歯(きょし)がまばらにある。葉柄から主脈にかけて赤みを帯びることが多く,脈は裏面に隆起する。脈腋(みゃくえき)には,「膜状の付属物」がある。常緑樹だが質は柔らかい。両面とも無毛。
 葉の大きさや枝先に束生状につく様子などが,ヤマモモと似ているが,ヤマモモの成葉には鋸歯がないことで区別できる。もちろん,両者は分類上はまったく異なる科で,花や果実もまったく異なる。
裏面の脈腋(みゃくえき)にある「膜状の付属物」の様子。「膜状の付属物」という言葉は山渓の『樹に咲く花』の表現。一体なんなのかは私には分からない。クスノキのダニ室のようなものだろうか? 2007.1.27 福岡市「大濠公園」
大濠公園の中を散歩しているとホルトノキをよく見かける。中には,このような堂々たる巨木もあった。
クスノキ,タブノキ,ヤマモモなどと共に,北九州の林で高木層を形成する樹木のひとつ。
H15.8.17 岡山市「半田山植物園」 H15.8.17 岡山市「半田山植物園」
どんな季節にも数枚混じる紅葉は,遠目にも目立ち,ホルトノキの特徴といえる。ヤマモモは新葉が赤みを帯びることはあるが,このような紅葉のしかたはしない。 紅葉した葉。たいへん鮮やかで美しい。
2010.1.31 和歌山県白浜町 2005.11.27 岡山市「半田山植物園」
若い果実(かじつ)。熟すと黒紫色になる。長さ2pほどの楕円形でオリーブに似ている。平賀源内が間違えたのもうなずける。
2010.1.31 和歌山県白浜町 2011.11.23 岡山県「半田山植物園」
樹皮(じゅひ)はなめらかな茶褐色で,皮目(ひもく)が目立つ。ヤマモモの灰褐色の樹皮とは感じが異なる。
樹皮と,葉にはタンニンを多く含み,これらを煮出して,大島紬の黒褐色の染料に用いる。
2011.11.23 岡山県「半田山植物園」
見どころ
ヤマモモ(Myrica rubur)(図1)との区別
・ホルトノキは,葉のほぼ全体ににぶい鋸歯があるが,ヤマモモは全縁。ときに鋸歯がみられるものもあるが,葉の上部に限られる。
・ホルトノキの方が,ヤマモモよりも,主脈に対して側脈が鋭角に出る。
・ホルトノキは,1年中紅葉した葉をぽつぽつとつけている。ヤマモモは新葉が赤味をおびることはあるが,このような紅葉の仕方はしない。
図1
徳島市の「市の木」に指定されている。
名の由来
「ポルトガルの木」が転訛したものと言われている。もともと,「ポルトガルの木」はオリーブを指したそうだが,江戸時代の博物学者平賀源内が,オリーブと間違えたことが原因で,この木をホルトノキと呼ぶようになってしまったらしい1)
岡山県情報
低地の照葉樹林内に自生し,朝鮮半島,台湾,中国大陸にも分布。
岡山県には自生しない。街路樹としても見かけないが,まれに植栽されていることがある。
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