ゴマノハグサ科キリ属キリ,学名:Paulownia tomentosa,かのんの樹木図鑑
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 【ゴマノハグサ科 キリ属】  Paulownia tomentosa
  キ  リ  
【 桐 】   別名 /−− 英名/Paulownia
 ●落葉高木
 ●高さ:8〜15m
 ●花期:5〜6月
 ●果期:10〜11月
 ●分布:中国中部原産 
(各地で古くから栽培され,野生化している。)
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」(山と渓谷社)P374
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P161

上:2005.5.7 岡山県美咲町 下:岡山県和気町田賀
5月になると,葉の展開を待たず開花し,新緑の山に淡い紫の彩りを添えるようになる。
2006.5.16 岡山市(吉備新線),左下:2008.5.7 岡山県高梁市有漢町上有漢
枝先に円錐花序(えんすいかじょ)をつけ,淡い紫色の花を多数つける。花冠(かかん)は筒状で先端部で5裂。上の2片はよく反り返り,下の3片は前へ突き出ている。花冠の外側には短毛(たんもう)が密生している。
花冠内部では,上面へ密着するように,雌しべ1個,雄しべ4個がある。雄しべ4個は,基部をみると上側に2個,下側に2個ついているのが分かる。下側の2個がやや長いが,先端部では上下の差は分かりにくい。
2010.2.22 岡山市北区下足守
H15.2.1 岡山県御津郡加茂川町 2010.3.26 香川県満濃町
花芽(はなめ・かが)。茶褐色の毛が密生している。
H15.6.14 岡山県加茂川町「宇甘渓」 2010.2.22 岡山市北区下足守
若い果実(かじつ)。まだ緑色をしている。 刮ハ(さくか)。先端が尖った卵形で長さ3〜4p。熟すと2裂する。
H15.12.14 岡山市「半田山植物園」
果実が2裂すると,中からはたくさんの種子がでてくる。種子には翼(よく)があり,風散布される。
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 2006.12.11 岡山市「半田山植物園」
キリの樹皮(じゅひ)。縦に浅い割れ目がある。 葉は対生(たいせい)。写真は落葉したものを撮影。
基部は心形,先端は尖る。前縁。単葉の中では極めて大きな葉をもつ。浅く3〜5裂するものも普通に見られる。
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」 2006.12.11 岡山市「半田山植物園」
葉の基部からは,7〜9本の太い葉脈(ようみゃく)が放射状に伸びる。 葉裏全体に腺毛(せんもう)が密生する。葉脈は裏面に隆起する。
2006.12.11 岡山市「半田山植物園」
葉柄の基部に維管束痕(いかんそくこん)が見える。
見どころ
日本の樹木の中ではもっとも軽く,材質が柔らかである。生長が早く,材に狂いが少ないなどの特徴を生かし,箪笥,琴,下駄など様々な用途に利用される。福島県産の会津桐,岩手県産の南部桐は有名。
断熱効果が高く,金庫の内張や火鉢などに利用されることもある。
●その成長の早さから,”女の子が産まれるとキリを植え,お嫁入りの際に箪笥に仕立てて持たせる”という風習がある。
●ゴマノハグサ科には身近な草本が多い。高木になるのはキリ属に限られる。花の作りを観察すると似ているのが分かる。下写真の他にウリクサマツバウンランなど。
キンギョソウ ムラサキサギゴケ オオイヌノフグリ タチイヌノフグリ
名の由来
「切り」の意。木を切っても,旺盛に萌芽を伸ばし,生長が早いことに由来。
岡山県情報
中国中南部原産だが,材としての利用価値を評価され,古くから各地で栽培された。野生化している個体も多い。岡山県でもほぼ全域に自生があるようだ。(参考:「岡山県野生生物目録2003年度版」)
吉備高原山中でも,花期になるとぽつりぽつりと山中にあるのが目につく。
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