ブナ科マテバシイ属シリブカガシ,学名:Lithocarpus glabra,by.かのんの樹木図鑑
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 【ブナ科 マテバシイ属】  Lithocarpus glabra
  シリブカガシ 
【 尻深樫 】   別名 / シリフカ,シリブカ
●常緑高木
●高さ:15m
●花期:9月
●果期:翌年の秋
●分布:本州(近畿地方以西),四国,九州,沖縄
参考文献
1) 「山渓ハンディ図鑑3 樹に咲く花 離弁花@」(山と渓谷社)P270
2) 松井宏光,「葉で引く四国の樹木観察図鑑」(高知新聞社)P365
3) 岡山県編,岡山県野生生物目録2009,岡山県生活環境部自然環境課,2009年
葉身11p,葉柄1.2p,幅3.5p (05/01/16)
2010.3.26 香川県満濃町
H15.12.14 岡山市「半田山植物園」 H15.12.14 岡山市「半田山植物園」
2012.1.2 岡山市御津河内「徳蔵神社」
葉は互生(ごせい),長さ6〜14pの倒披針状長楕円形で厚い革質。表面には光沢がある。縁には上部に波状の鋸歯(きょし)があり,先端は尾状に伸び,最先端は丸みを帯びる。側脈(そくみゃく)は6〜8対。裏面には鱗状毛(りんじょうもう)が密生し,銀白色に見える。

シリブカガシとツブラジイ,スダジイの区別に迷うことがある。質感が似ており,どちらも裏面に金属的な光沢があるからである。少し俗っぽい表現であるが,私は次のように区別している。
最も幅が広いところ 表面の様子 裏面の様子
シリブカガシ 先端より 側脈間が広くもこもこしている 銀白色
ツブラジイ 基部より ぺったりしている 黄金色
H17.1.14 岡山市「半田山植物園」 H17.1.14 岡山市「半田山植物園」
ドングリは光沢があり,殻は固い。長さは約2p。底がへこむのが特徴。殻斗(かくと)は椀状で,鱗状の鱗片がある。渋みがなく食用となる。
2011.11.23 岡山市「半田山植物園」
H17.1.14 岡山市「半田山植物園」 2010.6.19 岡山県
シリブカガシの芽生え。
2010.3.26 香川県満濃町 2010.3.26 香川県満濃町
2012.1.2 岡山市御津河内「徳蔵神社」
「本年枝には黄褐色の短毛が密生する」「芽鱗(がりん)の先端がとがる」,図鑑の記述通りの様子が見て取れる。スダジイやツブラジイとは明らかに様相が異なる。
H17.1.14 岡山市「半田山植物園」 2010.3.26 香川県満濃町「天川神社」
比較的若い木。樹皮は確かになめらかであるが,大木でみられる筋張ったうねるような隆起の面影が何となく見て取れる。 シリブカガシの大木。筋張ったうねるような隆起がある。
2012.1.2 岡山市御津河内「徳蔵神社」
図鑑には「樹皮は灰黒色でなめらか,割れ目はなく,縦に皮目(ひもく)の列がある」とある。私の観察では,やや緑がかった灰色で,割れ目はないが,縦方向に筋張ったうねるような隆起があるものが多いように感じた。「縦に皮目の列」とは右の写真のようなことだろうか。
葉身 側脈 堅果(長さ) 堅果(色)
マテバシイ 5-20p 10-13対 1.5-2.5p 茶褐色
シリブカガシ 6-14p 6-8対 2-3p 黒褐色
建築材,器具材,薪炭材として利用される。堅果はマテバシイほどではないが渋の量は少なく,食用になる。

堅果の表面は白いロウ質で覆われており,布などで磨くとピカピカになる。殻が堅いので子どもには少し加工が難しいが,工作に用いると見た目がよい。
名の由来
殻斗がとれた跡がへこんでいることから,尻の深いドングリをつける樫の木の意味。近縁種のマテバシイも同様の特徴がある。樫と名が付くことから材としての有用性が昔から認められてきた樹種なのだろう。
岡山県情報
岡山県内では南部から中部にかけて自生する。
(注)作者は専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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