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 【ブドウ科 ツタ属】  Parthenocissus tricuspidata
  ツタ
  
【 蔦 】   別名 / ナツヅタ(夏蔦)
 ●落葉つる性木本
 ●高さ:−−
 ●花期:6〜7月
 ●果期:
 ●分布:北海道,本州,四国,九州
参考文献:「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花」(山と渓谷社) P528

2006.11.11 岡山県倉敷市「アイビースクエア」
塀を埋め尽くしたツタ。
ツタは,先端が吸盤になった巻きひげをのばして,壁面でもよじ登ることができる。
ブドウ科の多くの巻きひげは,他のものにからみついて登っていくので壁面ような垂直面を登ることは難しい。
ウルシ科のツタウルシは,巻きひげではなく,茎から付着根をだして,垂直面でもよじ登ることができる。
H15.8.18 岡山市古京町 2005.11.19 岡山県「池田動物園」
葉のタイプには,いろいろあり,切れ込みのないものから,3裂するもの,三小葉のものまである。
上の写真は,3裂したもの。ふちには先が芒状(ぼうじょう)に鋸歯(きょし)がまばらにある。
質はやや厚く,毛はない。
葉柄(ようへい)は,花のつく枝では15pちかくある。
三小葉の葉。
「♪秋の夕日に〜 秋を彩るカエデやツタは…」は有名。秋を彩る紅葉の代表格だ。
H16.6.13 岡山県「自然保護センター」 H15.2.4 岡山県加茂川町 片山邸
葉裏の様子。脈上に少し毛がある程度。毛が密生するヤマブドウやエビヅルとは明確に区別できる。 古い民家のかべに,巻きひげの吸盤の痕だけがぽつぽつと残っていた。
H16.6.13 岡山県「自然保護センター」 H16.6.13 岡山県「自然保護センター」
大きくふくらんだつぼみ。 樹皮(じゅひ)は,やや縦に割れ,ごつごつとした感じ。
2005.11.19 岡山県「池田動物園」
球形の液果をつける。表面には白い粉をふく。

●見分けるポイント●
  1. 同じブドウ科のヤマブドウや,エビヅルは葉裏に短毛が密生することで明確に区別できる。また,ノブドウとは,葉の質感や葉脈の様子などで慣れれば簡単に区別できる。
     
  2. また,ツタが巻きひげの吸盤で,垂直面でも登るのに対して,ヤマブドウや,エビヅルノブドウなどは巻きひげで他のものにからみつくので,垂直面を登ることは難しい。民家のかべや,垂直な岩盤などを登っているのは,まずツタである可能性が高い。
     
  3. 三小葉の葉は,ウルシ科のツタウルシにそっくりである。ツタウルシの小葉の鋸歯(きょし)は,ふつうは全縁(ぜんえん)であるが,幼木の葉には粗い鋸歯(きょし)があり,ぱっと見た目には区別は難しい。しいて言えば,鋸歯(きょし)の先端が小突起になるのがツタで,突出しないのがツタウルシである。しかし,それよりもそれぞれの特徴的な葉をさがす方が区別は簡単で,確かだ。
●豆知識●
  1. キヅタ(木蔦)(Hedera rhombea)というつる性木本がある。こちらは常緑であるのでフユヅタ(冬蔦)とよばれるのに対して,ツタは落葉であるため,ナツヅタ(夏蔦)と呼ばれる。分類的には,キヅタはウコギ科,ツタはブドウ科だから,まったくべつの仲間である。

メール(注)作者は樹木の専門家ではありません。あくまで趣味のページですので,まちがった情報もあるかもしれません。まちがいを発見された場合ご一報いただければ幸いです

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